お知らせ

  1. HOME > 
  2. お知らせ > 
  3. 夜間天体観望会8月3日(土)

夜間天体観望会8月3日(土)

[イベント] スケジュール:2019/08/03
更新日:2019/07/12

【日時】2019年8月3日(土)19時30分~21時30分 (受付19時00分~)
【内容】19時30分からオリエンテーション後、20時すぎから天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、中型望遠鏡10台程度、大型双眼鏡数台、小型双眼鏡40台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円、就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【参加申込】100名を超えるお申し込みがありましたので予約受付を終了致しました(7月24日19時)*キャンセル待ち希望の方は「お問い合わせ」のフォームにてお問い合わせ下さい。

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション(教室内)
・本日の天体望遠鏡の味わい方(教室内)
・天体望遠鏡の見方・使い方説明(教室内)
・双眼鏡の使い方説明(教室内)
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明(教室内)
・双眼鏡・天体望遠鏡の操作練習(校庭)

【雨天・曇天時の内容】
・天体望遠鏡の操作体験
・天体模型を使った観望疑似体験
・シュミレーションソフトを使った今夜の天体紹介
・会員の話など
当日の状況に合わせて開催しています。
当日の予約キャンセルは連絡不要です。

【8月3日の星空】

夏至から一ヶ月以上過ぎて日没も早くはなってきていますが,この頃の日没は午後7時頃。受付が開始されるころは空にはまだ明るさがあります。太陽が沈んだからといってすぐに空は暗くなりません。それは上空の大気が太陽光を散乱させているのが原因です。このまだ明るさが残る状態を『薄明』といい,この夜,実際に空が暗くなるのは午後8時前ほどでしょうか。
明るさが残っている間に観望会用に用意されている『天体望遠鏡』を見てみましょう。 細長い筒のものや太短い筒のもの,レンズを使ったものや鏡を使ったものと,会場には様々なタイプの望遠鏡が並んでいるはずです。

hoshi_2

形も大きさも違う望遠鏡,それぞれにどんな違いがあるのでしょう。機械が好きな人は構造の違いに目を向けてみるのも楽しいかもしれません。また,天体の見え方には違いがあるのでしょうか。関心がある人は,望遠鏡を操作している博物館の関係者に気軽に尋ねてみてください。
 基本的には,口径(レンズや鏡の直径)が大きな望遠鏡ほど,暗い星まで,天体の細かい部分まで見えるとされています。実際に天体を見る場合,大小の望遠鏡の見え方の違いも意識して見比べてみてください。

オリエンテーションが始まる7時30分ころにはだんだと空が暗くなってきます。空のどこかで,一番明るい星が先に見え始めます。それが一番星。
 この夜の一番星の最有力候補は木星でしょう。このときの木星は-2.4等という一等星の数倍の明るさを放つため,最初に見え始めるのは木星である可能性が高いといえます。方角はほぼ南です。
 誰が一番早く一番星を見つけることができるか,家族や友人と競い合ってみてください。

hoshi_1

オリエンテーションが終わる8時ころにはかなりたくさんの星が見えてきてることでしょう。

hoshi_3

おおまかに空を見渡すと,西方面の空には,うしかい座の一等星アークトゥルスやおとめ座の一等星スピカなど,春の一等星や星座もまだ見えています。一方,真南の方向には,夏の代表的な星座の一つであるさそり座が木星とともに見えています。
 少し首が痛いかもしれませんが,真上を見上げると『夏の大三角』が見えています。夏の大三角は,こと座のベガ,はくちょう座のデネブ,わし座のアルタイルの3つの一等星を直線で結んでできる三角形をいいます。けっこう大きな三角形です。
 小学4年生の理科で学習すると思いますが,お子様連れで参加されている方はぜひ一緒に見つけてみてください。

hoshi_4

この夏の大三角を見つけることができたら,どの星がベガ,デネブ,アルタイルなのかを特定してみましょう。
 星空を観察する場合,方角を意識することはとても大切なことなんです。まずは南北方向,東西方向を確かめておきましょう。
 上の図は南が下になってます。すなわち一番南にあるのがアルタイル。西にあるのがベガ。残る一等星がデネブです。そして,よく見ると(空の澄み具合にもよりますが)ベガとアルタイルの間を北から南へ天の川が流れているのがわかると思います。うっすらと煙のように,あるいは薄雲のように見えるでしょうか。

 七夕のお話でいう彦星と織女星が,このアルタイルとベガになります。
 七夕といえば7月7日で,もう終わっちゃったと考える人も多いでしょうか。昔からの伝統的な七夕は,月の動きを基準にした旧暦に基づいたもので,『旧暦による七夕』等とよばれたりもします。旧暦は月の満ち欠けにより月日が決まりますから,現在の暦に当てはめた旧暦の7月7日(旧暦の七夕)は毎年変わります。今年の旧暦による七夕は8月7日で,観望会の4日後。まだ終わっていません(もうすぐですね)。旧暦の7月7日には,新月から7日目ということで,新月から6日ほど経過していることになります。すなわち,旧暦による七夕の夜には,月齢が6前後の半月に近い月が必ず見られることになります。まるで,彦星と織姫を乗せる舟のように。
 8月7日,伝統的な旧暦による七夕の空に,ぜひ目を向けてみてください。

 それではこの夜,望遠鏡を向けて楽しめる天体をいくつか紹介していきましょう。

 まずは,太陽系最大の惑星である木星。ほぼ南の方向に明るく目立っているので,すぐに『あれだっ!』と見つけることができるはずです。※一番星を見つけた人は,それが木星かな。

 望遠鏡で木星を覗いてみると,木星本体とその左側(望遠鏡により左右が逆になる場合があります)に3個,右側に1個の明るい星がくっついているのがわかります。その4つは,ガリレオ衛星とよばれる木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。右側に1個見えている衛星はガニメデという衛星で,太陽系最大の衛星となります。惑星の水星よりも大きな天体です。
 そして木星本体に目を向けると,数本の縞模様が見えると思います。その縞模様の隙間をよ~く見ると,赤っぽい楕円形の模様が見つかります。これは『大赤斑』(だいせきはん)とよばれる木星の特徴的な表面模様の一つです。その正体は,高気圧下の巨大な渦だといわれています。大きさは地球よりも大きいものです。今回の観望会のとき,この大赤斑のある面が地球の方に向いています。じっくりと観察して,確かめてみてください。

hoshi_5

木星の少し東(南に向かって左方向)に目を向けると一つの明るい星が見えています。これも一等星ではなくて,太陽系第6番目の惑星である土星です。輪っかのあることで有名な,観望会では人気NO.1の天体です。天体望遠鏡を使うと,その輪っかも明瞭に見ることができます。神秘的な姿をじっくりと見てください。
 木星は地球の11個分ほどの大きさ。それに比べて土星は若干小さ目ですが,それでも地球の9個分の大きさをほこる大きな惑星です。

hoshi_6

土星本体のそばには,木星ほど目立つわけではありませんが,いくつかの衛星も見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で一番明るいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。そんなこともイメージしながら望遠鏡を覗くと,宇宙の不思議さをより一層感じることができるのではないでしょうか。

 続いて,惑星以外の天体を紹介しましょう。

 先に天の川が見えるということをお伝えしましたが,夏の天の川の付近には,星の集まりである星団やガスでできた天体である星雲がたくさんあります。その代表的なもののいくつかを形状別にピックアップしてみます。それぞれ見え方も印象も異なります。「これ,お気に入り!」って思える天体をぜひ一つ選んでみてください。

☆★散開星団
ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体

M7・・・さそり座のしっぽの付近にある散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。
倍率は低めの方が星々が散らばりすぎず,全体像が見渡せ良い感じがします。
距離は1,200光年

hoshi_7

☆★散光星雲
比較的広い範囲に広がったガスや宇宙塵が様々な理由で発光して見えている天体

M8・・・いて座の天の川の中にある星雲。写真に写すとピンク色に写ります。
よく見ると,散光星雲と散開星団が寄り添っている天体です。
距離は3,900光年

hoshi_8

☆★球状星団
恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。
多くは銀河の周辺部に存在します。

M13・・・ヘラクレス座にある球状星団。
恒星の数は50万個以上。北天で最大サイズの球状星団です。
全天一の美しい球状星団ともいわれています。
距離は25,000光年

hoshi_9

☆★惑星状星雲
 超新星爆発をせずに一生を終えた恒星が,ガスを放出して,中心に残された星からの紫外線に照らされて輝いている天体。
 
M57・・・こと座にある惑星状星雲。
リング状に見えるため,『ドーナツ星雲』とよばれています。
距離は2,600光年

hoshi_10

<注>
 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mはメシエの略号です。

 観望会当夜の主役は,観望好期となっている木星と土星の2惑星かもしれませんが,月明かりのない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。上記に紹介した星雲星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。

 例えば
  ☆M17・・・いて座にある散光星雲
         湖を泳ぐ白鳥のように見える・・?
  ☆M22・・・いて座にある球状星団
         M13より迫力があるかも。
  ☆M27・・・こぎつね座にある惑星状星雲
         銀行の地図記号に見えるといううわさ。

  ★アルビレオ・・・はくちょう(座)の口ばしにあたる星
         オレンジと青の組み合わせがとてもきれいな二重星
  ★こと座ε(イプシロン)星・・・二重星が二重になってる?ベガの近くにあります。
         通称『ダブルダブルスター』

  ◇南斗六星・・・北斗七星とどう違う?何座にあるでしょうか?
  ◇いるか座・・・かわいい星座かも。

 見てみたいと思う天体があれば,望遠鏡を操作している担当者に,遠慮なく申し出てみてください。

◇◆HP中の星図は,アストロアーツ社製StellaNavigator Ver11を使用して作成しました。
  天体写真は,天体望遠鏡博物館会員解説者(天体望遠鏡博物館会員)が撮影したものを加工して眼視に近い画像にしています。

お知らせの一覧はこちら

天体望遠鏡博物館

開館日

開館日

Copyright © Museum of Astronomical Telescopes, All rights reserved.