2018年4月21日天体観望会

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*本イベントは終了しています。次回開催予定はイベントページでご確認下さい*

【日時】
4月21日土曜日 受付開始:18時45分
オリエンテーション19時 観望会開始19時30分前後

【内容】
オリエンテーションで今夜の星空や観望会での注意点、双眼鏡、望遠鏡の使い方・見方を説明します。その後、晴れていれば校庭や観測棟での観望会を行います。観望予定の天体は下記の説明を参考にして下さい。当日の天候によって大きく変更されることもあります。

【料金】
大人300円、高校・大学生200円、小中学生100円、就学前児童無料
15名以上は団体割引となり各料金から50円引きとなります。
障害者手帳をお持ちの方はご本人無料となります。

【参加申し込み方法】
こちらの予約申し込みページからお申し込み下さい(ここをクリックすると予約ページが開きます)

【4月21日土曜日の星空】
  観望会が始まる時間帯には,月齢5(三日月よりも2日過ぎた月)の月が西空に見えています。
 実は,望遠鏡で拡大して月を見る場合,三日月頃から半月過ぎ頃までの月が都合がいいんです。というのも,その頃の月は,太陽光が横や斜めから月を照らしている状態にあるため,凸凹感がよくわかります。よく子どもたちが懐中電灯をあごに当てて,下から顔面を照らしながら『お化け~』,なんて遊んだりしますが,それは光が真下から当たることによって,顔の凸凹がコントラスト強く見えるのをおもしろく感じているんだと思います。月面も同じです。この夜の月の欠け際の部分は,太陽光が横から当たっているため,クレーターの立体感や,地表の詳しい様子が見やすくなっています。ぜひ,天体望遠鏡を通して,いろいろな倍率をリクエストしながら眺めてみてください。(下の写真は正立像ですが、天体望遠鏡で見ると通常は上下左右が逆になって見えます。)

月齢5イメージ

 次に,星座に目を向けてみましょう。
 おうし座やオリオン座,ふたご座等の冬の星座が,西空に傾いているのがわかります。一方,南から東方面には,しし座,おとめ座などの春の星座が,北東の空高い場所には,北斗七星が簡単に見つかります。
 まだ肌寒さを感じる4月ですが,星空は完全に『春』になってきています。

1-1*観望会開始時の南~西方面の空

1-2*<南から東方面の星空> 観望会開始時の南~東方面の空

1-3*<北東方面の星空> 観望会開始時の北東の空

<<おおぐま座とこぐま座>>
 北の空の高い位置に,北極星を見つける目印として有名な北斗七星が昇ってきています。この北斗七星があるのがおおぐま座です。(北斗七星そのものは星座ではありません。おおぐま座の一部です)。北斗七星のひしゃくの部分が熊の腰にあたり,柄の部分が尻尾にあたります。北斗七星を見つけたら,本当に熊の形をたどれるか確かめてみてください。おおぐま座が高く昇ってくるのは春ですが,日本からはほぼ一年中,北の空のどこかに見ることができます。地平線下に沈んで見えなくなることはありません。
 有名な北極星は,こぐま座に含まれる星で,子熊の尻尾の先にあたります。こぐま座の星々もひしゃくのような形に並んでいて,小柄杓(こびしゃく)と呼ばれることもあります。

2-1*<おおぐま座絵図>

<<春の一等星・春の大曲線>>
 冬の星空には一等星がたくさん見えますが,春の星空にも数は少ないものの,アークトゥルス,スピカ,レグルスといった明るく目立つ一等星があります。
 上で説明した北斗七星の柄の部分を,南の方へ延長してみてください。するとその先に,一つの明るい星があります。それがうしかい座の一等星アークトゥルスです。アークトゥルスは,地球からの距離36光年ほどの,比較的近距離にある恒星。アークトゥルスとは,ギリシャ語で『熊の番人』という意味です。北の空の熊たちを見張っているのでしょうか。和名としては,『麦星』と名付けられていて,麦を刈り入れる頃になると日没後に頭上に輝くことから名付けられたのではといわれています。

 そして,北斗七星→ アークトゥルスと結んできる曲線をさらに南へ延長すると,その先にはおとめ座の一等星スピカがあります。青みを帯びた白っぽい恒星。おとめ座の一等星にふさわしく,清らかなイメージと結び付く感じがしませんか?
 スピカは,ギリシャ語で『(麦の)穂先』という意味。距離は250光年,アークトゥルスまでの7倍ほどの距離にあります。
 北斗七星から,アークトゥルス,スピカと結んだ曲線を,『春の大曲線』といいます。こちらも,春の星空の特徴的な星の並びとなっています。ぜひ見つけてみてください。

3-1*<春の大曲線の説明図>

<<二重星>>
 二重星とは肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると2つの星として見える星をいいます。中には3つ4つと分離して見える星もあり,一般にこの種の天体を重星(じゅうせい)とよんでいます。二重星は実視連星と見かけの二重星に分けられ,前者はお互いの引力で結びつき共通の重心を公転しているタイプで,後者はお互いの関連性は全くなく,地球から見たときたまたま同じ方向に近寄って見えているタイプです。

 まずは,北斗七星の柄の端から2番目の星はミザールという星です。このミザールは,古くから知られている二重星で,兵士の視力検査に使われていたといわれています。視力に自信がある人は,このミザールが2つの星に分かれて見えるか挑戦してみてください。

4-1*<北斗七星,ミザール説明図>

 続いてプルケリマ。うしかい座にある2等星です。プルケリマの意味は『最も美しいもの』。明るい方の主星がオレンジ,暗い方の伴星が青色と,色の対比がとても美しい二重星です。ミザールと違って,2つの星が非常に接近していて,とても肉眼で見ることはできません。倍率を上げた望遠鏡で何とか見えてくる二重星です。
 ミザールもプルケリマも,たまたま同じ方向に2つの星が近寄って見えている見かけ上の二重星です。

4-2

<<球状星団>>
 おおぐま座とうしかい座にはさまれたあたりに位置する,りょうけん座にある50万個以上の星が密集した天体です。実際の大きさは直径100光年以上の高齢の星々です。
 口径10cm程度の望遠鏡に高倍率をかけて覗くと,ぱっと見はぼんやりとした球状のイメージですが,じっくり見ていると,周囲の星々がぽつぽつと個々の星に分かれて見えてきます。できるだけ大口径の望遠鏡で観察したい天体です。

観望イメージM3
球状星団M3 天体望遠鏡を通して見たときのイメージ

5-1*<M3位置図>

<<銀河>>
 さて,春の星空にはたくさんの銀河を見ることができます。
 銀河とは,私たちの太陽系がある銀河系の外にある宇宙。渦巻き状に無数の星々が集まった写真等を見たことはないでしょうか。
 オリオン座の大星雲やすばるなどは,銀河系の中にある天体なので,宇宙的な規模でいうととても近くにある天体です。それに比べて,この銀河は遥か遠い距離にある天体だといえます。
 その一つを紹介しておきましょう。
 おおぐま座にM81,M82という銀河があります。
 北斗七星のひしゃくの部分の先から,1番目と2番目の星を結んで,1番目の星の方に約2倍ほど伸ばした付近に,この2つの銀河があります。名称をM81,M82といいます。
 写真では,M81はきれいに渦巻きがわかる銀河ですが,M82は渦巻きはわからず不規則な形をしています。距離は,1200万光年ほど。ちなみにオリオン座大星雲までの距離は,約1500光年。文字通り桁違い,それも10000倍の遠さです。
 ただ,8等~9等級と暗くて,あまりにも遠い距離にある天体であるため,望遠鏡を通して覗いても,渦巻きの様子は見えません。単なる雲のようなボンヤリとしたイメージがわかる程度です。それでも,大口径の望遠鏡で見た方が,細かい部分は見えてくるので,観望会でもできるだけ大きな望遠鏡で覗くようにしてみてください。写真とはかけ離れた見え方のための,『なあ~んだ,あまり見えないな』と感じる人も多いかもしれませんが,深奥の宇宙の生の姿を,今目にしているんだという感動があるはずです。じっくりと見つめてみてください。
 春の星空は,銀河系の腕(星の密集した部分)から少し離れた方向にあり,多くの星々によって遮られることがないため,M81や82のほかにも多数の超遠方の銀河がたくさん見える時期でもあります。

観望イメージM81
銀河M81 天体望遠鏡を通して見たときのイメージ

6-1*<M81,M82位置図>

【参加申し込み方法】
こちらの予約申し込みページからお申し込み下さい(ここをクリックすると予約ページが開きます)

※当ページの星図・絵図は,アストロアーツ社StellaNavigator10で作成しています。
天体写真は当館会員が撮影した高解像度画像を「実視」イメージに近づける処理を行っています。

 

天体望遠鏡博物館

開館日

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