香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[イベント] スケジュール:2021/11/06
更新日:2021/11/06
11月6日(土)の夜間天体観望会は開催中止致します。天気予報を確認したところ「星空は望めない曇天」になります。楽しみにされていた方には残念なお知らせになりますがご了承下さいますようお願い申し上げます。(14時18分掲載)
11月6日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。
*募集数を超える申し込みがありましたので予約受付を終了しました。(10月12日3時35分)
【日時】2021年11月6日(土)
受付開始:18時30分~
オリエンテーション:18時50分~
観望会:19時~21時
【内容】オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集組数】10組(40名程度)
【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明
【持参して下さい】
・多和地区は山間部にあり夜間は気温が下がります。防寒服やブランケットを持参下さい。
【雨天・明らかな曇天時】
・開催中止に致します
*通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室
内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
*開催中止のお知らせは当日正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。
【参加方法】ネット予約が必要です。*募集数を超える申し込みがありましたので予約受付を終了しました。(10月12日3時35分)
上図は,観望会当夜19時頃に見える星空です。上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。
秋の星空は,一等星が一つしかなくて寂しい印象があると言われていますが,西側半分には,『夏の大三角』をつくること座のベガ,はくちょう座のデネブ,わし座のアルタイルの3つの一等星がまだ見えています。そして秋の夜空の唯一の一等星みなみのうお座のフォーマルハウト。この夜は,その4つの明るい恒星に,超明るく輝く木星,そして土星が加わって,寂しいどころかかなり賑やかな印象を感じさせるのではと思います。
この一番目立っている木星は,-2.5等(マイナス2.5等:一等星の10倍以上)という明るさです。木星を基準にしてみると,周囲の星々の特定が容易になるはずです。
それでは,まずは明るい方の木星からご紹介しましょう。
木星は太陽系第5番目,太陽系最大の惑星です。
望遠鏡で木星を覗いてみると,木星本体に数本の縞模様が見えてきます
基本的に天体望遠鏡は口径の大きなもの(レンズや鏡の直径の大きい望遠鏡)ほど,詳しい部分までしっかりと見えてくるものです。ここでは,準備された大小いろいろな望遠鏡で木星を見比べてください。縞模様の数,縞の詳細,木星本体の色合い,どんなに違って見えてくるか,慌てないでじっくりと観察してみてください。
木星本体左右に目をやると,小さな光点が4つほど見えると思います。この夜は,木星の左側に2個。右側に2個見えています。
この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれる,木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。木星本体左側(望遠鏡により左右が逆になる場合があります)に2個見えている衛星は木星本体に近い方がイオ,離れている方がエウロパ。エウロパは内部に膨大な量の海水があるといわれている衛星でもあります。右側に見えている2つは,木星本体に近い方がカリスト,離れている方がガニメデ。ガニメデは衛星でありながら,惑星の水星よりも大きな天体です。
木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の猛烈な速さで自転しているということ。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。良く観察してみてください。木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんで,やや楕円形に見えてるはずです。そこまで観察できたら100点満点!
続いて,木星の右(西側)に見えている太陽系第6番目の惑星である土星。
土星は天体観望会ではいつも人気NO.1の天体です。
木星は地球の11個分ほどの大きさ。それに比べて土星は若干小さ目ですが,それでも地球の9個分の大きさを誇る大きな惑星です。また,輪っかのあることで有名です。天体望遠鏡を使うと,その輪っかも明瞭に見ることができます。神秘的なその姿をじっくりと味わってみてください。
土星の輪っかは,小さな氷や小石からできていると言われています。
この輪っかは年によって傾きが変わって見えますが,今季はちょうど土星らしい傾き具合で見えているような気がします。
土星本体のそばには,木星ほど目立つわけではありませんが,いくつかの衛星を見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で一番明るいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。土星の左上方向に土星本体の約4倍ほどに離れたところにある光点がそうです。
望遠鏡で木星と土星を覗き比べながら,太陽系の大きさ,スケールにもぜひ思いをはせてみてください。
ちなみに木星までジェット機で行くと,およそ60年ほどかかります。一方土星までは120年。思った以上に近いと感じますか?遠いと感じますか?地球から木星までと土星まで,距離は2倍ほどの違いがあります。
惑星観察が終わったら,今一度夜空全体へ目を向けてみましょう。
天頂から少し東方面にはペガスス座。ペガスス座の秋の四辺形。ペガスス座には明るい星がないので,星座の形は追いにくいのですが,2等星と3等星から形作られる大きな四角形を見つけてみてください。
また,東から北方面には,カシオペヤ座が見えています。北極星を見つけるときによく利用されたり,W形の見つけやすい星座だったりと,何かと有名な秋を代表する星座の一つです。
三角形に四角形,W型と,いろいろな形を目印に観察を進めることができそうなのも11月の星空ですね。
秋の星座には,(ギリシャ神話の中の)『エチオピア王家の物語』に登場する人物や怪物が姿を見せています。
この物語は,娘アンドロメダ姫の美貌自慢の激しいカシオペヤ女王に怒った海神ポセイドンが,お化けくじらを使って大津波を起こします。困った国民はポセイドンの怒りを静めるためにアンドロメダ姫をお化けくじらのいけにえに差しだそうとします。そこに天馬ペガススに乗ったペルセウスが颯爽と登場し,アンドロメダを救い出すというもの。この話に出てくるケフェウス(国王),お化けくじら,ペルセウス,アンドロメダ,カシオペヤが,全て星座として出揃っているのが秋の星空の特徴の一つです。単純なストーリーですが,星空を舞台に展開される物語,とても壮大に感じませんか?
目が慣れてきたら,これらの星座たちをぜひ探してみてください。
それでは,秋の星雲星団にも目を移してみましょう。
まだ夏の星座や天体も見えていますが,今回は秋の天体を中心に紹介しておきます。
☆★球状星団
恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。多くは銀河の周辺部に存在します。
ペガスス座球状星団(M15)
天馬ペガススの頭の先にある大きめの球状星団。高倍率で観察するとブツブツ感がはっきりしてきます。また,大きな望遠鏡ほど個々の星々に分解して見えてきます。どれも120億歳と高齢の星ばかりで,その数は数十万個!
※距離は33,000光年
☆★散開星団
ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体
ペルセウス座二重星団(h&χ)
カシオペヤ座のW形のすぐ近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,二重星団の良いアクセントになっています。
※距離は1,400光年
☆★系外星雲
天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)
M31(アンドロメダ座大星雲)
アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。江戸時代後期にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。写真のようには見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年
☆★二重星
肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。ただ同じ方向に近寄って見えている見かけ二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。
アルマク(アンドロメダ座の二重星)
アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる『連星』です。
似たような色の組み合わせのアルビレオという二重星がはくちょう座にあります。こちらも有名ですが,アルマクの方が,より接近し合ってるせいか色が濃く感じられる気がします。
すばる(M45,プレアデス星団)
おうし座にある散開星団。
最後に紹介するのは,観望会終盤,東空に見えてくるすばる。低倍率で見るとたいへん見応えがあります。息をのむほどの美しさを感じる人も多い天体です。すばるは秋ではなく冬の天体。早い時間帯にすばるが見えるようになると冬はもうすぐと感じます。
<注>
星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mは観測者メシエのMです。
☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
木星,土星,
ベガ,アルタイル,デネブ,夏の大三角,
こと座,はくちょう座,わし座,
カシオペヤ座,ペガスス座,アンドロメダ座,秋の四辺形,
M31,二重星団(h&X),すばる,M15,
アラマク 他
この夜間観望会の主役は,観望好期となっている木星,土星の2つの惑星かもしれませんが,月明かりに影響されない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。上に紹介した星雲や星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。
若干冷え込みも気になる時期ですが,防寒に気を付けて,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。
また,当館の観望会では様々な天体望遠鏡が準備されています。
大小,大きさの異なる望遠鏡で,また鏡を使った反射望遠鏡とレンズを使った屈折望遠鏡とで,同じ天体でもどう違って見えるのか,ぜひ確かめてみてください。
※HP中の星座図,太陽系図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。