香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[天文現象] スケジュール:2022/01/02
更新日:2022/01/02
明けましておめでとうございます。
昨年は新型コロナの感染拡大などで外出が制限され移動観測もしづらい状況が続き天体望遠鏡博物館も数ヶ月にわたり休館、観望会の中止を余儀なくされました。
今年は一人でも多くの方に来館して楽しんで頂ければと思います。
そのような2021年の状況でしたが天体望遠鏡博物館はふたご座流星群の母天体とされる小惑星フェアトンの恒星食観測に参加するなどの成果もありました。
今年もいろいろな天文現象があります。一部になりますが今年注目される現象をご紹介します。
・皆既月食
2022年の皆既月食は日本では見られない5月16日と日本で好条件で見られる11月8日の2回があります。11月8日の皆既月食は18時過ぎから月が欠け始め、皆既食の始まりは19時17分、皆既食の終わりは20時42分、21時49分に部分食(本影食)が終わります。皆既時間が約90分もあり、また宵の見やすい時間に起こりますから晴れれば多くの方が楽しめるでしょう。さらに皆既中に天王星が月に隠される天王星食が起こる極めて稀な皆既月食になります。
・中秋の名月
旧暦8月15日の月のことで今年は9月10日が中秋の名月になります。
・月面X
月面に太陽の光線の当たり方でアルファベットの「X」を作り出します。この現象がみられるのは新月から次の新月までの間に2~3時間程度しかなくタイミングが良くないと見ることか難しく近年話題になることが多くなりました。今年条件よく見ることが出来るのは5月8日と12月30日になります。
2022年は太陽からの距離が地球より離れている外惑星が同一方向に集合しており一度に見ることが出来る好機となります。
6月下旬には早朝に月も交えて月、火星、水星、木星、土星を一度に見ることができます。水星と金星は太陽に近く、また明け方と夕方を移動するため一緒に見える時期は限られますが年末(12月27日頃)には夕方の空に見るチャンスがあります。
さらに2022年は惑星どうしが望遠鏡の同一視野で見える大接近が3回も起こります。(2020年12月には木星と土星か同一視野に見え話題になりました)
4月 5日・・・火星と土星(月の直径の約2/3)
5月 1日・・・木星と金星(月の直径の約1/2)
5月30日・・・木星と火星(月の直径の約1.3倍)
・水星
夕方 (4月29日頃が一番見つけやすい)
東方最大離角日 1月7日、4月29日、8月28日12月22日
朝方 (10月9日頃が一番みつけやすい)
西方最大離角日 2月17日、6月16日、10月9日
・金星
1月は夕方、西の空低く見え、3月から10月ごろまでは明け方、東の空に見えます。12月には再び西の空に見えます。
5月27日 九州南部のみですが真昼に金星食があります。
・火星
7月21日 火星食があります。高度が低く観測の難易度はかなり高いものになります。
また、12月1日には火星の最接近があります。今回の接近は中接近ですので前回の接近ほど大きくはなりませんがそれでもー2等程度まで明るくなり1等星が多い冬の星座の中、おうし座で赤く輝く姿が見られます。
・木星
みずがめ座からうお座に移動します。9月ごろが観望の好機になります。
・土星
やぎ座にいます。8月15日に衝を迎え観望の好機です。
・天王星
おひつじ座にいます。11月8日の皆既月食中に天皇星食が起こります。
・海王星
みずがめ座にいます。9月17日に衝になりこの頃が観望の好機です。
流れ星「流星」はいつでもどこかで流れていますが「流星群」の時期は普段よりたくさんの流れ星を見ることが出来ます。
1月 4日早朝 しぶんぎ座流星群の極大。新月過ぎで最高の条件です。
8月13日頃 ペルセウス座流星群の極大。満月に近く条件は良くない。
12月14日頃 ふたご座流星群の極大。下弦前の月の昇る前がお勧め。
昨年年末にはレナード彗星が彗星らしい姿を見せてくれました。今年はパンスターズ彗星(C/2021 O3)が太陽に接近し4月下旬から5月頃雄大な姿を見せてくれることが期待されます。
彗星は発見されてから急速に明るくなる彗星もありますので明るい彗星が発見されることを期待しましょう。
2021年12月 レナード彗星(撮影:天体望遠鏡博物館会員F氏)
他にもいろいろな天文現象がありますが、気になる現象は随時ご紹介します。
原稿作成者:天体望遠鏡博物館ボランティア UM氏(岡山在住)