香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
ミザール望遠鏡 CX-150型15㎝反射赤道儀
1970年後半から1980年代にかけてのミザールのフラッグシップ機
CX-150は主鏡に安定した品質で研磨できる球面反射鏡に斜鏡前に補正レンズを組み合わせることで、短筒化・軽量化をはかり、15㎝クラスの望遠鏡を購入しやすくしたチャレンジングな望遠鏡です。それでも1975年の価格は180、000円、1977年は218,000円になっていますから、高級機です。
この望遠鏡の主鏡は球面鏡です。また斜鏡もニュートン反射として広く生産されていた平面鏡ですから、いずれも研磨精度は設計精度をだせていると考えていいでしょう。したがってこの望遠鏡の本来の性能を発揮させるには通常の光軸調整に加えて、斜鏡前の補正レンズが正しく組み立て調整させているかが決め手になります。
この調整がうまくできているCX-150は、惑星観測に優れた望遠鏡として、望遠鏡のプロから高い評価を得ています。
2016年5月8日 京都府の須川様からの寄贈品です。
(2016年7月2日ファインダーとカメラアダプターの追加寄贈がありました)
須川様は京都での大学生時代にこの望遠鏡を車に載せて京都市北部の大原まで天体写真撮影に出かけたそうです。1986年のハレー彗星の回帰時にもこの望遠鏡で観測、撮影をされた思い出のある望遠鏡です。
須川様は他にも望遠鏡をお持ちで、本機は三重県のご実家にて保管されていました。天体望遠鏡博物館の開館を知り、CX-150の再活躍の場になればと思い寄贈されました。
口径:153㎜ 焦点距離 合成1310㎜ 口径比8.5
本機の対物主鏡はF4.8の球面鏡で有効口径40㎜の補正レンズを接眼側に設置することで放物面鏡と同様
の焦点内外像を確保した設計になっています。
1980年のカタログの説明によると、2重星テストも「ドーズの限界」を上回る高性能を証明しているとのこと。
1980年の定価は245,000円 ミザールのフラッグシップ機です。
口径153㎜の反射望遠鏡を鏡筒全長730㎜に収め、重さも27㎏に押さえ移動観測を可能にしています。
またカタログによるとオプションのフィールド補正レンズを使用すると焦点距離860㎜口径比5.6の単焦点化もできるとのことです。(本機には付属していません)
キャリーハンドルが2本ついているので組立時や鏡筒回転時に便利です。
赤文字で CATADIOPTRIC の表示があります。
(カタディオプトリック; 反射屈折)
赤道儀は本機専用のドイツ式赤道儀です。
ウォームギア歯数180枚 軸径7.5㎜
80㎜屈折赤道儀のカイザー型とは異なり、ウォームギアもカバーされています。また高度調整方式も異なります。
モータードライブMMD
追尾観測、天体写真のガイド撮影に便利な装置です。
速度の微調整が基準回転数の±5%の範囲で行えるため大気差などで速度調整が必要なときでも対応できるようになっています。
またミザール製以外の赤道儀にも取り付けができることがあり、モータードライブを後付したい天文少年の救世主でした。
主鏡はかなりカビが発生しているようです。
増反射コート面の表面までなら、水洗浄で落とせる可能性があります。
カビが鏡面までは浸食しておらず、実用になる状態にできました。
斜鏡もカビ、埃が確認できていますが、補正レンズの調整もありますので、こちらのメンテナンスはヨシカワ光器研究所さんに依頼することにします。
2016年6月下旬
斜鏡、補正レンズ部のメンテナンスと光軸調整をヨシカワ光器研究所さんに委託しました。
この後、光軸調整が行われました。