香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
鏡筒部:タカハシMT-200
有効径200㎜/焦点距離1200㎜/口径比F6
月・惑星を高倍率で観測するときには付属のコレクター併用でF8に変更可能で、別売のレデューサー(コマ補正レンズ)を併用するとF4.8に変更可能なシステム光学系。
接眼部にはカメラ回転装置が組み込まれ天体写真撮影時構図決めが便利にできるようになっている。
鏡筒径253㎜/鏡筒全長1150㎜/鏡筒重量14.5㎏
架台部:タカハシNJP赤道儀
赤経・赤緯ウォームホイール全周微動/極軸傾斜角範囲25°~48°/極軸望遠鏡内蔵/モータードライブ/Fバランスウエイト6.5㎏×3個/大型ピラー脚/鏡筒部を含めた総重量約88㎏
ガイド鏡筒はFC-60です。
製造番号から推定すると1991年製造のようです。
香川県東かがわ市の間島様からの寄贈品です。電話で事前にお聞きできていたのは「無くなった主人が使っていた天体望遠鏡の大きいのと小さいのがあるので取りに来てほしい」というお話でした。2017年2月26日、間島様のご自宅に当館会員2名がお伺い致しました。玄関にタカハシスペースガイド赤道儀が置かれており、「これが小さい方の望遠鏡だな」とわかりました。では「大きい方は8㎝くらいの屈折赤道儀かな」と思っていたところ、大きい方は裏庭に置いてあるとのことで、裏に廻ってみました。
農業用によく使われている「かまぼこ型倉庫」の手前には、鉄パイプで作った2.5mほどのフレームがあります。今は洗濯干し場として使われているようですが、手作り簡易天文台だったはず。倉庫の中に入ってみると、
「これが大きい方の望遠鏡か、反射系だな」と思いながらカバーを取ってみると、現れたのはタカハシMT200でした。移動できるように台車に載せられています。
鏡筒を外して、手作り簡易天文台に移動させてみると、ピラー基礎とも一致しています。(写真ではわかりにくいですが基礎は中央部が台地状に20㎝ほど高くなっています。)手作り簡易天文台のフレーム構造から推測すると、恒久的な屋根は設置せず観測時に、MT200をここに移動させていたようです。周りが住宅ですのでその明かりを防ぐのと防風が主目的だったのでしょう。
倉庫内をさらに調べてみると、次々と出てきます。
タカハシ ε-160鏡筒/タカハシ FC-60鏡筒/ビクセン カスタム60/ビクセン 80M-SP/写真三脚/
手作りマルチプレートなど
玄関にあったタカハシスペースガイド赤道儀も合わせて考えてみると、オーナーは遠征時の軽量な撮影セットと、自宅天文台での本格撮影セットを揃えたようです。このころの天文マニアなら頷けるセット内容です。こんな熱心なアマチュア天文家が、東かがわ市にいたのかと思いながら、間島様にお話を伺ったところ、この望遠鏡の持ち主である故:間島章様(昭和2年生まれ)は香川県立三本松高等学校の物理の先生で在任中(昭和23年~47年、59年~60年)は天文部の顧問をされていたことがわかりました。驚きました。今日、ここに伺っている私たち2名は三本松高校天文部OBです。大先輩の望遠鏡だったのです。
天体望遠鏡博物館に持ち帰って、仮組立時の集合写真です。左から、
ビクセン スーパーポラリス80M
タカハシ スペースガイド赤道儀+ガイド鏡
タカハシ MT-200J
タカハシ FC-60鏡筒
タカハシ ε-160鏡筒
ビクセン カスタム60
写真三脚+手作りマルチプレート
間島先生ありがとうございます!後輩が引き継ぎます。
2017年3月18日 間島様から天文書が出てきましたとの連絡を受け、受け取りに伺いました。特に印象深かったのが故 間島章先生の書き込みが数多く残されている浅田英夫著「エリア別ガイドマップ星雲星団ウォチィング」です。
星図スカイアトラスは、夜露に濡れてもいいようにコピーを厚紙に貼り付けています。
書籍一覧