収蔵望遠鏡

  1. HOME > 
  2. 収蔵望遠鏡 > 
  3. 故三谷哲康氏の12cmコメットシーカー

故三谷哲康氏の12cmコメットシーカー

ブランド: 希少品
光学系: 屈折
口径: 120mm
焦点距離:
架台形式: 架台無し
年代: 1959年以前
備考: 天理市 松田秀樹様より寄贈

2014年12月5日に天理市の松田秀樹様より、京都大学花山天文台で小惑星、彗星などを研究されていた故三谷哲康氏が所有されていた屈折望遠鏡を頂きました。

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_002

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_004

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_001

この望遠鏡は、口径12㎝双眼鏡のレンズを流用し製作されています。製造年については現在、調査中ですが、関勉先生が1954年8月30日に花山天文台でこの望遠鏡を見たとの情報があるとのことですので少なくともそれ以前に製作されていたものと思われます。また(株)西村製作所様に、この望遠鏡のラフスケッチを記録したノートがあることから同所で組み上げたものと思われます。

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_005

*ノート左上に29.3.12と記入されています。昭和29年3月12日の意味と思われます。(昭和29年=1954年)また7.14という記入もあります。こちらは7月14日の意味と思われます。

松田様は、天文雑誌2000年3月号の「譲るコーナー」にて三谷氏から譲って頂いたとのことで、そのやり取りについての郵便物も残されており、資料的にも貴重なものです。

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_003
(松田秀樹様とご寄贈の望遠鏡 七支刀で有名な石上神宮にて)

ただ、双眼鏡レンズの流用ということで、像は甘く氏も苦労されていたらしく、細かく内径が違うたくさんの対物用絞り環が付属されておりました。松田様も作られております。

特筆すべきは、特注されたと思われる対物プリズムが付属されていたことです。彗星には特有のスペクトルが観察される場合が多く、それを観察されたかったと思いますが、実用されていたかは不明です。

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_007

三谷氏コメットシーカー松田様寄贈_006

花山天文台では、戦中戦後にかけたくさんの小惑星などの写真記録を残されている三谷氏ですので、氏が個人用として作られたものと思われます。

<三谷哲康氏>

1927年島根県生まれ。1944年京都大学生駒山太陽観測所を経て、1946年花山天文台にて、多くの小惑星、彗星を観測されました。特に1954年、本田-Mrkos-Pajdusakova彗星の回帰の検出は世界的に有名です。戦中、戦後の大変厳しい時代に、貧しい観測機材で多くの業績をあがられた努力は現在でも賞賛されております。

2004年77歳でご逝去されました。

収蔵望遠鏡の一覧はこちら

天体望遠鏡博物館

開館日

開館日

Copyright © Museum of Astronomical Telescopes, All rights reserved.