香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
数多くある天文施設の中には機材更新あるいは閉館などにより、天体望遠鏡が活用されなくなることがあります。天体望遠鏡博物館ではそのような活用されなくなったを天体望遠鏡を各地から引き取っています。
会員では困難な一部の作業については望遠鏡の専門家、建築専門家の手をかりますが、大半の作業は会員のボランティア活動で行っています。たいへんな作業ではありますが当館の会員にとっては、普通は体験できない大型望遠鏡の引き取りという作業を行えること、貴重な望遠鏡を次代に引き継いでいるという実感が大きな喜びとなっています。大型望遠鏡をドームから搬出するためのクレーン、倉庫までのトラックによる運搬費用など諸々の費用が発生しますが、現在それらの費用については法人賛助会員・個人会員の会費と寄付金で賄っています。
当館では望遠鏡そのもの以外にも、天文に関する書籍、望遠鏡カタログなどを収集しています。
主な天文雑誌については創刊号から保管していますが、一部に抜けがあり、ご提供をお願いしています。また閲覧希望が多くなることが予想されますので、同月号であっても複数部の所蔵を進めています。
回収・寄贈された大型望遠鏡は天体望遠鏡博物館で保管後、修復、展示しています。
大型望遠鏡は組み立てるだけでもたいへんですが、各パーツ、特に光学系の修復は技術と費用と時間が掛かります。専門家の支援を受けながら、根気強く継続しています。
開館前から様々な天文イベントに当館の会員が参加することにより、天体望遠鏡を活用した教育、啓発活動を行ってきました。開館後は、青少年から一般社会人までを対象に、天体望遠鏡を活用した天文普及活動を行っています。特に教育活動の指導者となる小・中・高校の教職員の皆様の教材研究や望遠鏡操作の実地研修の場として、また児童・生徒、科学部の天文実習、校外学習に活用していただけるよう整備を進めます。
天文普及には、いわゆるアマチュア天文家の存在が欠かせません。
当館会員の多くはアマチュア天文家ですが、自らが天文に熱中できる楽しみも必要です。この楽しさが天文普及への情熱とつながっています。そこで当館では天文普及の要となるアマチュア天文家向けにも様々な企画を立案中です。天文台が「望遠鏡で星を楽しむ」施設とすれば、当博物館は「星で望遠鏡を楽しむ」ことができる希な施設です。たとえば、数十年前の望遠鏡と最新の望遠鏡の見え方を比較することにより、当時の技術と最新技術の違いを実感できます。意外に昔の望遠鏡の性能の高さに驚かされるかもしれません。また同年代の望遠鏡同士を比較することにより、メーカーによる見え方の違いを楽しむこともできます。レンズ磨きの名人による幻のレンズや反射鏡の見え味を確かめることもできます。