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【開催中止】3月25日夜間天体観望会は開催中止に致します

[イベント] スケジュール:2023/03/25
更新日:2023/03/25

2023年3月25日に予定されています夜間天体観望会は、開催中止に致します(3月25日午前1時49分掲載)
開催中止理由:星空を望めない天候となるため

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3月25日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。*開催中止*

【日時】
2023年3月25日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時45分:オリエンテーション
19時00分:観望会開始
20時30分ころ:終了予定

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】10組(40名程度)
*新型コロナウイルス感染症の状況により募集数を増加、減少させることがあります。

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・明らかな曇天時】
・開催中止に致します
*通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
*開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。受付終了しています

3月25日の星空

☆★3月25日天体観望会で見ておきたい天体リスト
月・惑星: 三日月,火星
星 座:おうし座,オリオン座,ふたご座,しし座,
一等星:シリウス,ベテルギウス,リゲル,ポルックス,プロキオン,レグルス,
星の並び:冬の大三角,北斗七星,
星雲:オリオン座大星雲(M42),かに星雲(M1),しし座の系外星雲(M65,M66,NGC3628),
星団:すばる(M45),プレセペ(M44),
二重星:リゲルの伴星,ミザール

<注>
天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。『NGC』記号は,新たにまとめられたカタログに記載されている星雲・星団および銀河の個別番号です。

今回の天体観望会におけるオススメの天体をリストアップしてみましたが,それら個々の天体を紹介していきましょう。

まず,西空低く赤っぽく輝く明るい星が見えるはずです。昨年末,地球に接近していた火星です。
火星は2年2ヶ月ごとに地球と接近します。その最接近から既に4ヶ月が経過しています。それだけの日にちが経過すると,地球と火星の距離は相当に離れた状況になり,結果,火星はとても小さく見える天体となってしまっています。当夜の火星も表面の模様が見えるほどの大きさはありませんが,『小さい,赤い,丸い』,そんなかわいい火星像が眺められるのではないかと思います。ずいぶんと離れてしまったお隣の惑星,そう思いながら望遠鏡で覗いてみてください。

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ただ,高度が低くなっているため,後回しにしていると西側の山の稜線に沈んでしまいます。早めに望遠鏡を覗いておきましょう。

続いて三日月です。
見かけは三日月ですが,実際は4日月。
月には月齢という数値があって,その数値から月の膨らみ具合がわかります。正確には,月齢とは,月の満ち欠けの状態を示す数字で,新月から何日経過したかを表します。新月を0として,新月からの経過日数を数字で表します。大まかには月齢が7前後であれば半月(上弦の月)頃,15前後であれば満月頃,22前後であれば下弦の月の頃,というように,月齢で月の大きさを知ることができるわけです。
 この夜の月齢は3.7。ほぼ4日月ですが,見た目には三日月ですね。
 三日月は,細い月ではありますが,欠け際のクレーターや月面の地形を,ものすごくコントラスト良く見ることができます。特に高倍率にして,その欠け際を観察すると超迫力で迫る月面を味わうことができるはずです。

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この月も高度は高くありませんから,山際に沈むまでに早めに観察しておいてください。

さて,火星と月を観望したところで,次は星空全体に目を向けて,どんな星座が見えているか確認しておきましょう。
まず,身体を南方向に向けて,夜空を見上げてみましょう。
すると下図のような星空が見えるかと思います。

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この図は,観望会当夜午後7時半頃の南方面の星空です。

3月,暦の上ではもちろん春なんですが,西空半分には,オリオン座やおおいぬ座,ふたご座,おうし座といった冬の代表的な星座が見えています。冬の大三角(ベテルギウス,プロキオン,シリウスの3つの恒星で形作られる三角形)も見えています。とても大きな三角形です。

また,冬の星空は一等星がたくさんあって賑やかな印象があります。(上の星図を参考にして)一つ一つ確かめてみるのもおもしろいと思います。

それでは,まだまだ良く見えている冬の星空に見られる星座や天体を紹介しておきましょう。

上の半円星図には記載がありませんが,まずはすばる。
別名,プレアデス星団M45と呼ばれます。おうし座にある散開星団(恒星の集まり)です。

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低倍率で見るとたいへん見応えがあります。
平安時代に,清少納言枕草子の中で『星はすばる・・・』と記しています。どういうことかというと,「数ある星の中でもすばるは素晴らしい・・・」ということです。平安貴族の目にもとまっていたんですね。

すばるは比較的若い星の集まりで,誕生してからまだ数千万年しか経っていない星々です。距離は440光年。比較的近いところにある天体です。

おうし座には,かに星雲(M1) と呼ばれる星雲があります。
藤原定家の日記とされる明月記に,『1054年4月中旬の午前2時頃,オリオン座の北付近に木星ほどの明るさの星がいきなり現れた』と記されています。これは超新星(爆発)が起きて,それが肉眼でも見えたということ。この天文現象は,日本に限らず中国や中東方面にも観察記録が残っていて,昼間でも23日間ほど見えていたとの記述もあります。かなりの明るさだったのでしょう。

超新星とは,大きな質量の恒星が進化の末期に大爆発して,突然明るく輝き出す天体とその現象。このかに星雲は1054年に爆発した超新星の残骸で,今も猛烈なスピードで膨張しています。
『かに』というのは,アイルランドの天文学者が大きな望遠鏡で観察した際,星雲の微細な放射状の構造が,かにの足に見えたことからそう呼ばれるようになったと言われています。

下の画像中,右上に見えているのがM1。望遠鏡で見るとぼんやりとしたひし形の雲状に見えます。(画像左下の明るい星はおうし座の角先にある恒星です)

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そして次は,冬の星空の王者オリオン座。
オリオン座には見応えのある天体がいっぱいです。

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オリオン座は,赤っぽいベテルギウスと青白いリゲル,そしてその中間に3つの2等星が斜めに並ぶ特徴的な形をした星座で,初心者でも簡単に見つけることができる星座です。

このベテルギウスとリゲルは,それぞれ,『平家星』,『源氏星』という和名を持っています。平家の旗色が赤,源氏の旗色が白ということと,中間の3つ星をはさんで対峙してるかのように感じられるところから,そう名付けられたのではないかといわれています。

リゲルの方は伴星(ばんせい)といって,リゲル本星の周りを公転する小さな恒星をお伴にもっています。こうした近接して見える2つの恒星を二重星といいます。二重星には,見かけ上,たまたま2つの星が近くに見えている(見かけ上の)重星と,お互いの引力によって実際に公転し合っている連星とがあります。リゲルはこの実際に2つの星が回り合っている連星。天体望遠鏡の倍率を多少高めにして観察すると,明るいリゲル本星にくっついて,小さくかすかに伴星がポチッと見えてきます。二つの恒星がお互いに回り合ってる,不思議な天体だと思いませんか?

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オリオン座の3つ星のすぐ下には,縦に3つほどボンヤリと星が並んでいるのが肉眼でもわかるかと思います。
その中央にあるのが,オリオン座大星雲(M42),オリオン座にある散光星雲(拡がったガスや宇宙塵が様々な理由で発光して見えている天体)です。

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M42の近くには星間ガスが大量にあって,今まさに星が誕生しつつある場所だといわれています。天体望遠鏡を使ってこの星雲を拡大してみると,中心部にトラペジウムと呼ばれる4つの恒星を観察することができます。トラペジウムは,どれも誕生したばかりの赤ん坊の星々で,これらの星々がオリオン座大星雲を光り輝かせているといわれています。

オリオン座大星雲は,小さな望遠鏡でも鳥が羽を広げたようなイメージに観察できます。大きな口径の望遠鏡で見ると,星雲の複雑な構造も見えてくるようになり,とても迫力のある眺めとなります。大きな望遠鏡でも小さな望遠鏡でも,見え方の違いを楽しめる天体です。

冬の大三角の一番左(東)の一等星プロキオンから,左方向を見ると春の代表的な星座のひとつであるしし座があります。
しし座にはレグルスという一等星があります。レグルスとは『小さな王』という意味。ライオンの心臓にあたるところで輝いています。このレグルスから上(北)に視線を動かすと,ちょうどクエスチョンマークを裏返したような形が見つけられると思います。これは『ししのおおがま』。このライオンは右(西)を向いているのですが,ししのおおがまは,そのライオンの胸から頭に部分にあたります。

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しし座の後ろ足のところには,たいへん遠くにある系外星雲(けいがいせいうん:銀河系の外側にある銀河)があります。M65M66NGC3628の3つの星雲(下画像)です。距離は約3500万光年。私たちの銀河系(天の川銀河)の直径がおよそ10万光年程度といわれていますから,銀河系の大きさの350倍ほどの遠さにある天体であるわけです。さきほど紹介したすばるまでのさらに80,000倍ほどの距離。そんなに遠くにある天体ですから,暗くてボンヤリとしか見えません。目をこらしてじっくりと望遠鏡をのぞき込んでみてください。系外星雲については,たくさん星の光を集めることができる大きな望遠鏡で観察することをオススメします。

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しし座からプロキオンの方(右方向)に少しもどると,かに座があります。
かに座には明るい星がないので,全体の形は追いにくい星座ですが,そのかに座のど真ん中に散開星団プレセペ(M44)があります。場所は,ふたご座の一等星ポルックスとしし座の一等星レグルスのほぼ中間のあたりですが,空の暗いところでは肉眼でもボヤーッと見ることができます。

プレセペとは飼い葉桶(かいばおけ)という意味のラテン語。飼い葉桶とは家畜のエサ入れのこと。どう見てもエサ入れには見えないのですが,その肉眼で見たときのボンヤリとしたイメージが,そう感じさせるのでしょうか。

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先に紹介したすばるもそうですが,一般的に散開星団は,そこそこの拡がりのある大きな天体であるたため低倍率で観察するのがオススメです。

次に,ちょっと不思議な天体を紹介しましょう。

それは,ふたご座の2等星カストル
ふたご座には一等星のポルックスがありますが,このカストルはふたごのお兄さんの方。そして,ポルックスが弟になります。兄の方が暗いということですが,星図の中ではカストルがα星,ポルックスがβ星とされています。
通常,一つの星座の中で明るい順にα(アルファ)星,β(ベータ)星,γ(ガンマ)星・・と,恒星に記号が割り振られます。ということはカストルの方が明るいはず。でも実際はポルックスの方が明るい。
考えられるのは,その記号が割り振られた時点ではカストルの方が明るかったということです。星って明るさが変わるものなんですね。カストルの明るさは1.58等で四捨五入して2等星。ポルックスは1.16等(四捨五入すると1等)。数値上ではそれほど違いませんが,四捨五入の結果,兄が2等星で弟が1等星ということになってます。

さて,そのカストルです。肉眼で見ると一つの星にしか見えませんが,天体望遠鏡で倍率を上げて観察すると2つの星からなっていることがわかります。リゲルと同じ二重星なわけです。
その見えている2つの星のうち,一方の星をカストルA,もう一方をカストルBといいます。この2つの恒星を特別な装置を使って観測した結果,カストルAの方も2重星になっていて,カストルBの方も2重星になってることがわかりました。すなわちカストルは2+2で4重星!

驚きは続きます。もっと少し詳しく観測すると,4重星のカストルA,Bの周りをカストルCという恒星が回っていることがわかりました。驚きはもう一つ。そのカストルCも実は2重星。まとめちゃうと,カストルは(2+2)+2の星が回り合ってる6重星!見えているのは,その6つの恒星のうちの2つということです。

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そのカストル星系に,もし惑星があって知的生命体が誕生しているとしたら・・・。想像してください。6個の太陽が昇ったり沈んだり。クルクルしながら左へ行ったり右へ行ったり。その惑星の住人にとっては,いったいどんな一日になるんでしょうね。
そんなことを想像しながら,ふたご座のα星を望遠鏡で観察してください。きっと,いろんなことが想像できて楽しいかもしれませんよ。

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それでは,北側の星空に目を向けてみましょう。

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上図は,観望会当夜午後7時半頃の北方面の星空です。

春の星空,北側で一番目に付くのはやっぱり北斗七星でしょうか。(北側には天体望遠鏡博物館の建物があるので,高度が不十分な北斗七星はまだ見やすい位置にないかもしれません。)

勘違いしている方もいる人も多いのですが,北斗七星は星座ではありません。北斗七星はおおぐま座の一部。大熊の背中から尻尾の辺りになります。北極星を見つけるときに活用されることでも有名ですね。
北斗の『斗』は,中国では枡を意味します。名前の通り,ひしゃくの形をした7つの星というわけです。7つの恒星のうち2等星が6個と3等星が1個。まずまずの明るさと,特徴的な形ということで容易に見つけやすくなっています。

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北斗七星の柄の方から2番目の星はミザールという星です。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星。上の写真でも2つの星がくっついているのがわかりますが,明るい方がミザール,暗い方の星はアルコルといいます。
アラビア地方では,その昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。視力に自信がある方は,肉眼でこのミザールが2つの星に分かれて見えるか挑戦してみてください。

ここまで,いくつか見所となる天体を紹介しましたが,冬から春の星空には他にも数多くの『見ておもしろい天体』がたくさんあります。ここに記しているもの以外の天体についても,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,そして紹介をしてくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体について知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。

冷え込みにはまだまだ注意が必要な時期です。防寒を十分にして,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。


 

※HP中の星座図,太陽系図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

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