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【開催中止】4月15日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2023/04/15
更新日:2023/04/13

2023年4月15日の夜間天体観望会は開催中止に致します(4月15日12時37分掲載)

12時37分現在、さぬき市多和は雨です。複数の天気予報により18時以降の天候を検討致しましたが、星空を望めるような天候回復はないと判断致しました。3月の観望会に引き続き2回連続の開催中止になり大変残念です。次回の夜間天体観望会は5月13日(土)です。

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4月15日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。

【日時】
2023年4月15日(土)
18時45分:開場・受付開始
19時00分:オリエンテーション
19時15分:観望会開始
20時30分ころ:終了予定

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】15組(50名程度)
*新型コロナウイルス感染症の状況により募集数を増加、減少させることがあります。

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・明らかな曇天時】
・開催中止に致します
*通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
*開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。
*予約受付を終了致しました 4月13日22時34分

雨天のため開催中止になりました


4月15日の星空案内

☆★今回の天体観望会でのオススメ天体リスト
 惑星:   金星
 星座:  ふたご座,かに座,しし座,おとめ座,
 一等星: ベテルギウス,プロキオン,シリウス,ポルックス,レグルス,スピカ,
 星の並び:冬の大三角,北斗七星,春の大曲線,
 星雲:  しし座の系外星雲(M65,M66,NGC3628),おおぐま座の系外星雲M51,
 星団:  かに座の散開星団プレセペ(M44),
 二重星: ミザール,カストル 他

<注>
 天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。『NGC』記号は,新たにまとめられたカタログに記載されている星雲・星団および銀河の個別番号です。


 本年第2回目の天体観望会において,ぜひ観察していただきたいオススメの天体をリストアップしてみました。以下,それら個々の天体を紹介していきます。

 当夜は,午後7時からオリエンテーションが行われる予定です。観望会の概要を聞きながら空を見上げると,西空に明るく輝く星が一つ見つかると思います。おそらく,この明るい星がこの夕刻における一番星になるでしょうか。
 この明るい星は,太陽系第2番目の惑星である金星です。
 夕空に明るく見える金星を,宵の明星(よいのみょうじょう)といいます。明るさは-4等。一等星の100倍以上の明るさです。
 金星は地球の内側を回る内惑星。内惑星は満ち欠けをします。

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 上図を見ていただくと,金星が満ち欠けする理由がおわかりになるかと思います。公転している金星の位置により,太陽光を反射した金星の光っている部分が(地球からは)違って見えるわけです。月の満ち欠けと同じような感じですね。
 金星は,図中にある『東方最大離角』を再来月6月4日に向かえます。(上図では,金星は反時計回りに回ります)当観望会の4月15日の金星の位置は,『外合』と東方最大離角』の中間あたりになるでしょうか。
 この頃の金星は,月に例えると半月と満月の中間くらいのふっくらとした形状に見えるかと思います。

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 望遠鏡で覗くその金星ですが,輪郭はとてもよくわかるのですが模様は一切見えません。それは金星が分厚い二酸化炭素の大気や大量の雲に覆われているからです。そのため,ものすごい温室効果があり金星の表面温度は500℃とも言われています。
 ちょっと金星の天気予報をしてみましょう。
 『今日の金星のお天気です。ずっと昔からですが今日もやっぱり曇りでしょう。気温は500゜C前後で超高気圧に覆われています。やけどに気を付けてください。』
 なんだかすごい世界のようです。
 金星に関してビックリなことは他にもあります。
 金星は自転の向きが地球や他の惑星とは反対向き。すなわち,金星では『太陽は西から昇って東へ沈みます』。どこかのアニメソングみたいです。宇宙は不思議でいっぱい。
 そんなことを考えながら望遠鏡を覗いてみると,すぐお隣の惑星の見え方もひと味違ってくるかもしれませんね。
 ただ,のんびりしていると西方面の山の稜線に金星が沈んでしまうので,早めに観察しておくのがいいでしょう。

 それでは,宵の明星を観望したところで,次は星空全体に目を向けて,どんな星座が見えているか確認しておきましょう。
 まず,身体を南方向に向けて,夜空を見上げてみましょう。
 すると下図のような星空が見えるかと思います。

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 この円形の星図は,観望会当夜午後7時半頃の星空を表しています。方位を記入してありますが,その方位を下にすると星座早見盤のように扱うことができます。(注)一等星を紫の文字で表示していますが,北極星,ふたご座のカストルは一等星ではありません。

 さらっと空全体を見渡してみると,西側半分の空には一等星がたくさん。これらは冬の星座の一等星たちです。一方東側半分には,しし座の一等星レグルス,おとめ座の一等星スピカ,うしかい座の一等星アークトゥルスが見えています。このしし座,おとめ座,うしかい座等は春の星座たち。ちょうど,『冬の星座から春の星座への切り替わり中』といえる星空なんですね。当観望会中,時間が経過するにつれて,春の星座たちは高度を上げて主役の位置にやってきます。
 冬の天体もまだ見ることができるし,春の天体もしっかりと観察できる,そんな観望会になりそうです。

 星空全体をもう少し詳しく見ていきましょう。
 西空に見えるオリオン座のベテルギウス,おおいぬ座のシリウス,こいぬ座のプロキオンの3星を結んでできる冬の大三角が,ギリで南西の空に見えています。また,天頂近くにはふたご座のカストルとポルックスも簡単に見つけることができます。ふたご座は冬の星座です。
 一方,北の空に目をやると,春の星並びとして有名な北斗七星 が見えています。
 北斗七星の柄の部分をひしゃくの部分とは反対方向に伸ばした先に,さきほど紹介した,うしかい座のアークトゥルスがあります。アークトゥルスをさらに南へ伸ばすとおとめ座のスピカがあります。この北斗七星の柄の部分から,アークトゥルス,スピカと結ぶけっこう長い曲線が春の大曲線。冬と春の特徴的な星の並びの両方が見えているわけです。
 こういった星々を結んでできる形や星座の観察には,天体望遠鏡は必要ありません。望遠鏡の順番を待つ間,星々が作り出す様々な形を見つけて楽しんでみてください。

 ここで,春の代表的な星座をいくつか紹介しておきましょう。
 まずはしし座。しし座は,ほぼ真南の空高く見えているはずです。

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 しし座にはレグルスという一等星があります。レグルスとは『小さな王』という意味。ライオンの心臓にあたるところで輝いています。レグルスは,太陽の約4倍ほどの恒星ですが,ものすごい速さで自転しています。その速度は太陽の自転速度のおよそ300倍。それだけ速いと遠心力はものすごく,レグルスの場合,あともう少し自転が速ければ遠心力が重力を上回ってしまって,レグルス本体が崩壊してしまうほどらしいです。爆速でクルクル回ってる恒星,そんなことを思いながらレグルスを眺めてみてください。宇宙には不思議な星があるものです。
 このレグルスから上(北)に視線を動かすと,ちょうどクエスチョンマークを裏返したような形を見つけられると思います。これは『ししのおおがま』と呼ばれています。このライオンは右(西)を向いているのですが,ししのおおがまは,そのライオンの胸から頭に部分にあたります。

 しし座は,星占いの12星座にも出てくる星座です。
 『あなたは何座生まれ?』と尋ねられて,『しし座です。』というと,何となくかっこいい感じがしますね。
 星座は,昔々,約5000年前のメソポタミア地方(現イラク付近)にいた羊飼いたちが,夜空を眺めながら明るいく星々を結んで,怪物や動物,英雄たちの姿を物語風に星空に思い描いたのが始まりだとされています。では,しし座にはどんなお話があるのでしょうか。今回はしし座にまつわる物語を紹介してみましょう。

聞き手:『それではさっそく,しし座のライオンさんに登場していただきましょう。』
聞き手:『しし座のライオンさん,あなたが星座になっているのはどうしてか,身の上話を聞かせください。』
ライオンさん:
 『俺はね,ネメアという名の谷に住んでいたのさ。そして,その谷にやってくる人間たちを襲っては喰っていたもんだから,人間たちに怖れられていたんだ。他にも,人間の家畜となってる牛や羊も大好物だったさ。』
 『まあ,俺の父親はテュフォンという怪物だし,母親もエキドナという怪物で,その子どもが俺さ。ライオンのかっこうをしてるけど,本当は怪物から生まれた怪物ライオンというわけ。どうだ,すごいだろ。』
聞き手:『は,はい。ちょっとビビってしまいました。』
ライオンさん:
 『あるとき,ネメアの谷に筋肉モリモリの男がやってきて,俺に戦いを挑んできた。名前を聞くと,そいつはヘラクレスと名乗った。』
聞き手:『相手はヘラクレス!?かの有名な怪力ヘラクレスですね。いったい,どんな戦いになったんですか?』
ライオンさん:
 『ヘラクレスは弓で矢を放ってきた。もちろん弓矢なんて俺の岩のように堅い皮膚には刺さるわけはない。すると今度は,こん棒でなぐりかかってきた。だけど俺の身体は鉄よりも固い。そんなもんでなぐっても,ダメージはゼロだ。』
聞き手:『じゃあ,ライオンさんの圧勝だったんですか?』
ライオンさん:
 『それがね,ヘラクレスのヤツ,武器を使っても俺を倒せないと思ったのか,今度は全力でヘッドロックの技をかけてきやがったんだ。ヘラクレスのヤツはものすごい怪力でね,この技がなかなかの効き目だった。しばらく頭と首を締め付けられて・・・。』
聞き手:『そこでギブアップをしたと?』
ライオンさん:
 『悔しいけど,その通り。負けちゃったわけ。』
聞き手:『さすがの百獣の王も力負け?残念でしたね。』
ライオンさん:
 『だけどよ,俺の戦い方がなかなかの迫力だったもんだから,大神ゼウスの奥さんのヘラが,良くがんばったと俺を星座にしてくれたんだ。これはうれしかったな。』
聞き手:『星座になっての今の感想は?』
ライオンさん:『春の星座として夜空に堂々と君臨してる俺って,もう人間は襲わないし,自分でもかっこいいと思ってる。そう思わないかい?』
 『ただね,後で聞いた話なんだけど,ヘラは俺のことを応援してくれてたみたい。どうして俺を応援してくれたのか理由知っているやつがいたら,教えてほしいんだけど。』
※この理由について,興味がある方はギリシャ神話を紐解いてみてください。他にも興味深い物語がたくさんありますよ。

 星空のお話に戻りましょう。
 このしし座の後ろ足のところには,たいへん遠くにある系外星雲(けいがいせいうん:銀河系の外側にある銀河)があります。M65,M66,NGC3628の3つの星雲(下画像)です。距離は約3500万光年。私たちの銀河系(天の川銀河)の直径がおよそ10万光年程度といわれていますから,銀河系の大きさの350倍ほどの遠さにある天体であるわけです。そんなに遠くにある天体ですから,暗くてボンヤリとしか見えません。目をこらしてじっくりと望遠鏡をのぞき込んでみてください。系外星雲については,たくさん星の光を集めることができる大きな望遠鏡で観察することをオススメします。

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 次はかに座。
 しし座からプロキオンの方向(右)に少しもどると,かに座があります。かに座には明るい星がないので,全体の形は追いにくい星座です。
 そのかに座のど真ん中に散開星団プレセペ(M44)があります。場所は,ふたご座の一等星ポルックスとしし座の一等星レグルスのほぼ中間のあたりですが,空の暗いところでは肉眼でもボヤーッと見ることができます。
 プレセペとは飼い葉桶(かいばおけ)という意味のラテン語。飼い葉桶とは家畜のエサ入れのこと。どう見てもエサ入れには見えないのですが,その肉眼で見たときのボンヤリとしたイメージが,そう感じさせるのでしょうか。

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 一般的に散開星団は,そこそこに拡がりのある大きな天体であることが多いので,低倍率(広い視野で見える)で観察するのがオススメです。

 春の星空,星の並びとして一番目に付くのはやっぱり北斗七星でしょうか。
 勘違いしている方もいる人も多いかもしれませんが,北斗七星は星座ではありません。北斗七星はおおぐま座の一部で,大熊の背中から尻尾の辺りになります。北極星を見つけるときに活用されることでも有名ですね。
 北斗の『斗』は,中国では枡を意味します。名前の通り,北に見えるひしゃくの形をした7つの星というわけです。この7つの恒星は,2等星が6個と3等星が1個。まずまずの明るさと,特徴的な星の並びが,容易に見つけやすくなっている要因といえるでしょう。

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 北斗七星の柄の先から2番目の星はミザールという星です。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星。上の写真でも2つの星がくっついているのがわかりますが,明るい方がミザール,暗い方の星はアルコルといいます。
 アラビア地方では,その昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。視力に自信がある方は,肉眼でこのミザールが2つの星に分かれて見えるか挑戦してみてください。
 
 春の星空は,遠くの宇宙(系外星雲)を観察しやすくなっています。私たちの銀河系(天の川銀河)の星々に邪魔されない領域が見やすく拡がっているというのがその理由です。北斗七星付近には,この系外星雲がいくつか存在しています。その一つであるM51を紹介しましょう。
 M51は,大小2つの銀河がくっついているため,子持ち銀河とも呼ばれたりもします。下の写真では,M51の渦巻きの1本の腕の先に,小型の銀河(NGC5195)が渦の腕でつながっている姿がよくわかると思います。
 また,小型の望遠鏡で観察したときのスケッチを並べてみました。写真と見た目では全然違いますね。小さな望遠鏡では,大小の星雲を結ぶ腕までは見えません。それでも,気合いを入れて(^^)観察していると,大小2つの淡い雲という感じにわかるようになってきます。それは,遙か2100万光年先の宇宙からの生の光。写真ではない本物の宇宙からの光です。見え方は残念でも,それなりの存在感を感じさせてくれるはずです。

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 ここまで,いくつか見所となる天体を紹介しましたが,冬から春の星空には他にも数多くの『見ておもしろい天体』がたくさんあります。ここに記しているもの以外の天体についても,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,そして紹介をしてくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体について知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 夜間,山の中は冷え込みが厳しくなることがあります。防寒を十分にして,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。

※HP中の星座図,太陽系図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

 

 

 

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