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はやぶさ2プロジェクト「小惑星2001 CC21」を観測しように当館会員が参加

[お知らせ] スケジュール:2023/07/18
更新日:2023/07/17

この記事は2月~3月に当館会員が観測した小惑星2001 CC21についてのものです。観測時期と掲載日が離れていますが、天体望遠鏡博物館の会員が様々な天文活動を行っていることを紹介させていただきます。

「はやぶさ2」が2020年12月に「りゅうぐう」のサンプルがはいったカプセルを地球に落下させてから、2年以上が経ちました。はやぶさ2探査機は今も宇宙空間を飛行しています。次の大きなイベントは、2026年7月の小惑星2001 CC21のフライバイ探査(高速で通過しながら写真撮影)です。

 小惑星2001 CC21は2023年2月から3月にかけて観測好機でした。とはいうものの2023年初めは約18等、2月の初めに16等くらい、3月末には20等くらいの明るさと予想されています。肉眼で見える星の明るさは6等ですから肉眼ではもちろん見えませんし、小口径の天体望遠鏡で見ることも出来ません。高性能な天体望遠鏡と小惑星2001 CC21を視野に導入する技術や撮影技術をもった人でないと観測は出来ません。

そのため一般の方向けの大々的なキャンペーンではなく、それなりの機材と技術を持つ天文家向けにJAXAはやぶさ2拡張ミッション、日本公開天文台協会、日本惑星協会が協同で「小惑星2001 CC21の観測キャンペーン」が行われました。

小惑星 2001 CC21 を観測しよう!| トピックス | JAXA はやぶさ2プロジェクト

この観測キャンペーンの目的は2つです。
1.地球からの小惑星2001 CC21の撮影
2.小惑星2001 CC21による掩蔽観測

まずは「地球からの小惑星2001 CC21の撮影」です。

2001CC21 2023_2_17撮影日:2023年2月17日 午前0時14分10秒~
撮影機材:鏡筒・ビクセンR200SS(レデューサー使用焦点距離760㎜相当)/架台・ビクセンSXP2/カメラ・Canon EOSRa
露出時間等:ISO感度6400 90秒×10枚 比較明合成後 トリミング有り 
撮影地:岡山県井原市星空駐車場
撮影者:天体望遠鏡博物館会員 UM氏(岡山県在住)

もうひとつはより困難な「小惑星2001 CC21による掩蔽観測」です。
(掩蔽とは……恒星の前を小惑星が横切ることで恒星の光が暗くなる天文現象)
点のように小さな恒星の前を点のように小さな小惑星が横切るため、観測できる範囲は狭い帯状になります。3月5日に中国・四国地方の一部が小惑星2001 CC21によるきりん座の10.1等星(TYC4082-00763-1)の掩蔽が観測可能と予測されていました。

3月5日当日、観測可能と予測された帯状の観測帯18箇所で天体望遠鏡博物館の会員やこのキャンペーンに参加している各地の天文家が観測機器をセットしてそれぞれ布陣しました。

18箇所の観測地のうち減光を観測したのは、予報掩蔽帯の中心から1.4km離れた地点で観測を行った井田三良さんで、21時46分頃、0.127秒の減光を確認したとのことです。天体望遠鏡博物館の会員が観測した地点では減光が確認できませんでした。ただ掩蔽観測では「減光しなかった」という観測結果にも大きな意味があるのです。それは減光が確認できた位置と減光が確認できなかった位置関係から小惑星2001 CC21のより正確な軌道や大きさが推計できるのです。

この観測の結果、次のことがわかりました。
1.恒星が隠されていた時間(掩蔽の時間)は0.105秒。
2.掩蔽時間から計算された小惑星2001 CC21の大きさは449m ±12m
3.小惑星2001 CC21の軌道精度が高まりました
*はやぶさ2探査機がフライバイする2026年7月の時点での小惑星2001 CC21の位置誤差がこの掩蔽観測前の82㎞から47kmに縮小できました*
4.軌道精度が高まったことで、掩蔽観測可能な帯の幅の誤差は±8.5kmが±2.0kmまで縮小できます。従って、次に掩蔽が起こるときには、かなり高い確率で小惑星2001 CC21が恒星を隠す現象を捉えることができることになります。

この観測の様子や観測結果はJAXAのサイトやNHKのローカルニユースで放送されています。

JAXAのサイト-小惑星2001 CC21による掩蔽が観測されました!

JAXAのサイト-小惑星2001 CC21による掩蔽観測:続報

NHKのサイト-あの「はやぶさ2」の 力になりたい!

NHKのサイトには掩蔽観測のネット会議がで行われたときの画像がありますが、よく見ると当館の村山代表理事やN会員、H会員が写っていることがわかります。

天体望遠鏡博物館は「小惑星探査計画DESTINY+プロジェクト」にも掩蔽観測で協力しています。

天体望遠鏡博物館ホームページ-DESTINY+プロジェクトチームから感謝状を受け取りました。

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