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【開催済】12月16日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2023/12/16
更新日:2023/12/03

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【日時】
2023年12月16日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時50分:オリエンテーション
19時00分:観望会開始
20時30分ころ:終了予定

*18時50分までに受付できるようにご来館下さい*

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】20組(70名程度)

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。

*台風など開催が危険と思われる天候の場合は開催中止に致します*
開催中止の場合は本サイトのお知らせ欄に当日、13時ころに掲示致します

【参加方法】ネット予約が必要です。

2023年12月16日夜間天体観望会は募集数に達しましたのでネット予約受付を終了致しました(12月14日18時35分)

12月16日の星空案内

☆★12月16日の天体観望会での観察オススメ天体リスト
 星座:  ペガスス座,カシオペヤ座,おうし座
 一等星: カペラ,アルデバラン
 星の並び:秋の四辺形
 星雲:  アンドロメダ座大星雲(M31)
 星団:  ペルセウス座の二重星団,ペガスス座の球状星団M15,
      おうし座の散開星団M45(すばる,プレアデス星団)
 二重星: アンドロメダ座アルマク
 惑星:  木星,ガリレオ衛星,土星,土星の衛星タイタン,天王星

 北からの季節風が吹き始める頃になると,ときおり尋ねられることがあります。
 『空の高いところに,ボンヤリとした天体が見えるんですけど,あれは何なんですか?』って。

 その頃の天頂近くはこんな感じ。

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 ボンヤリと見えそうな天体,ちょっと上の写真で探してみてください。
 そのボンヤリした天体って,間違いなくこれでしょうね。

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 この天体の名は,すばる。あるいはプレアデス星団,またはM45。おうし座にある散開星団です。
 名前は聞いたことあるという人は多いと思います。もちろんよく知ってるという人も多いかもしれません。
 望遠鏡で覗いてみると,こんな感じです。

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 低倍率の望遠鏡で観察すると,すばるの全体が見渡すことができて,本当にため息がでるほどの美しさといえるかもしれません。
 視力に自信のある人なら,肉眼でも4~5個の星が見えます。視力に自信のない人や,空の状態が良くない夜にはボンヤリと見えるでしょうか。空高くに見えるボンヤリの正体は,このすばるです。
 観望会の始まる頃には,東の山の上あたりに見えていると思います。受付を済ませたら,一度,東方面の空を見上げて探してみてください。ボンヤリあるいは4~5個の星の集まり,さて,皆さんの目にはどう見えるでしょうか。
 今回は,最初にこのすばるの紹介から始めましょう。

 すばるというのは和名で,その語源は,『まとまって一つになる』という意味の『統べる(すべる)』からきていると言われています。漢字で書くと『昴』。中国には,この天体を指す『昴宿(ぼうしゅく)』という言葉があって,この言葉から『昴』の字が当てられたということです。また,(日本の)地方によっては『六連星(むつらぼし)』や『羽子板星』など,様々な呼び方もあるようです。
 平安時代に活躍した作家,清少納言が書いた『枕草子』に次のような一節があります。
 『ほしはすばる,ひこぼし,ゆうづつ,よばい星すこしをかし・・・』
 ※現代語訳:星はすばるが一番。次に彦星(アルタイル),続いて宵の明星,流れ星が良い・・・。
 夜空に見える星の中で美しいと思ったものを順に紹介した一節ですが,ここで一番に紹介されている星がこのすばる。当時の美しい天体NO.1の評価をもらっていたんですね。空が明るくなってしまった現代でも,ボンヤリと見えるのですから,清少納言が生きていたおよそ1200年前の平安時代の空は,今よりも遙かに暗く,すばるはもっとはっきり美しく見えたことでしょう。
 そんな清少納言の感動に思いをはせながら,すばるを観察するのも興味深いかもしれませんね。

 すばるがあるのは,おうし座。
 話のついでに,このおうし座も探しておきましょう。
 上の写真に,おうし座を示す線を加えると下のようになります。

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 牛のように見えそうで,よくわからなそうで,どうもはっきりしませんね。
 この牛は,左(東)を向いていて,一等星のアルデバランは牡牛の右目にあたります。上の写真では,そのアルデバランから左へ伸びている線と,その上に見えるもう一本の線の2本が牡牛の角になります。そしてアルデバランの右下のカクカクした2本の曲がった線が前足の2本。何となく牛をイメージできそうでしょうか?そう,おうし座の牛は胸あたりから上しかありません。

 それから,おもしろいのでおうし座の神話も紹介しておきますね。

 大神ゼウスはエウロパという美少女を気に入って,エウロパに会いに行くために見事なほどの純白の牛に姿を変えます。この牛がおうし座の由来。
 あるときエウロパが草摘みをしていると,気づかないうちに雪のように白い牛が近くにやってきています。美しくおとなしい牛をすっかり気に入ったエウロパは,頭や背中をなでてやります。すると牛は,『背中に乗っていいよ』とばかりにしゃがみこみました。そして,背にまたがるエウロパ。そのとたん,牡牛はものすごいスピードで走り出し,空に駆け上がります。ビックリ仰天のエウロパ。
 『牛さん,いったいあなたは誰?!』
 尋ねるエウロパに,ゼウスは自分の正体を静かに話し出します。
 しばらく空を駆け巡った後,ゼウスとエウロパはとある大地に降り立ちます。そこは,ヨーロッパと名付けられて,エウロパがやってきた土地という意味として伝えられていきます。

 おうし座の紹介だけで長くなってしまいましたが,続いて星空全体を眺めてみましょう。先ほどのおうし座を中心に,周りにはどんな星々が見られるでしょうか。

1216_6上図は,観望会当夜20時頃に見える星空です。上下左右に記してある方位を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます

 南の空高く,とても明るく輝く星がありますが,これは太陽系第5番目の惑星である木星です。この木星を境にして,西側(右側)には秋の四辺形であるペガスス座,天頂付近にはカシオペヤ座といった秋の星空が見えています。一方,木星の東側(左側)には,先ほどのおうし座やぎょしゃ座といった冬を代表する星座が見えています。冬の星空には,カペラ,アルデバラン,ベテルギウス,リゲル,プロキオン,シリウス,ポルックスといったたくさんの一等星があります。東には山が迫っていて,これら一等星の全部が見えるわけではありませんが,東半分は時間とともに賑やかな星空になっていくはずです。
 それでは,本年最終の天体観望会において,バッチリ楽しめる星空(天体)を順に紹介していきましょう。

 まずは,その明るくギラギラと輝いている木星から。
 木星は,太陽系第5番目の太陽系最大の惑星です。
 明るさは-2.7等。これは,一等星の10倍以上となる素晴らしい明るさです。

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 木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転(自転)します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の猛烈な速さで自転しているということ。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。じっくりと観察してみると,木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんで,やや楕円形になっているのがわかるはずです。そこまで観察できたら100点満点 (^_^) 
 望遠鏡で木星を覗いてみると,木星本体に数本の縞模様が見えてきます。木星は,そのほとんどがガスでできています。そのガスの大気が縞模様をつくっているわけです。
 木星本体左右(感覚的には斜め上下かも)に目をやると,小さな光点が4つほど見えると思います。この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれる,木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。当夜は,木星の左(下)側に2個,右(上)側に1個,そして木星本体と重なるように1個の計4個が見えています。個々の名称は下図を参照してください。なお,望遠鏡によっては,この図とは左右逆,上下反対に見えている場合がありますのでご注意ください。なお,木星と重なっているガニメデは,小型の望遠鏡では見えにくい可能性があります。大きな望遠鏡で目をこらして観察してみてください。

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 次に土星です。
 太陽系第6番目の惑星。地球の9個分の大きさを誇る大きな惑星です。また,環(輪っか)のあることで有名で,その神秘的な姿から観望会ではいつも注目度No.1の天体でもあります。天体望遠鏡を使うと,その環も明瞭に見ることができます。
 環は,小さな氷や小石からできていると言われています。この環は年によって傾きが違って見えます。環の幅は今後だんだん狭くなっていき,再来年の2025年には,この環を真横から見ることになり,実際には見えなくなります。輪っかのない土星,つまらないような珍しいような・・・。今は,”麦わら帽子をかぶった頭”みたいな感じに見えるでしょうか。

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 木星には4つの衛星が見えましたが,土星にもいくつかの衛星が見えています。その中でも小型の望遠鏡でもよく見えるタイタンという衛星が見つけやすいと思います。位置は,土星本体の横方向に,土星の輪っかの幅を3倍ほど伸ばしたあたりです(上図参照)。
 タイタンには,(炭化水素の)海があるとされ,厚い大気をもっている衛星。山があって,雨が降ったり風が吹いたり,そして湖もあるといわれています。また,有機物の存在も話題に出ていたりして,探査の必要性が高まっている天体でもあります。近いところでは2026年,ドラゴンフライと呼ばれるドローン型の探査機を,タイタンに送り込む計画があります。
 その土星ですが,かなり西に傾いてきているので,早めに観察しておかないと山の稜線に沈んでしまう可能性があります。もしかしたら,観望会では木星よりもこちらを先に,土星を案内することになるかもしれません。宇宙の神秘を感じることができる最有力候補の天体です。沈んでしまわないうちに,ぜひとも,じっくりと観察してみてください。

 さて,木星,土星と太陽系内の2大惑星を観望してきたところで,もう一つの見頃を向かえている惑星を紹介しましょう。
 太陽系第7番目の惑星である天王星です。普段はなかなかお目にかかることのない惑星です。
 天王星は,地球の約4倍ほどの大きさ。地球を大きめのリンゴに例えると,天王星はバスケットボールほど。
 天体望遠鏡で観察すると,惑星なのに恒星と変わらない小さな点のように見えるかもしれません。倍率を上げても,それほど大きく見えることはありません。
 それもそのはず,天王星は土星の半分ほどの大きさ(小ささ?)で,距離は土星までの2倍も遠くにある。そりゃ小さく見えても仕方ありませんね。大型の望遠鏡で高い倍率をかけて見ても,こんな感じ。(下写真)
 比較のために,恒星を一つ(横に)並べてみました。高倍率だと,何とか違いがわかりますが,低・中倍率では,ほとんど恒星と見分けがつきません。それほど小さくしか見えないんです。

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 天王星も木星や土星と同じようにガスでできた惑星です。望遠鏡で見ると何となく青っぽい感じに見えます。これは,天王星の大気に多く含まれるメタンが,赤い光を吸収しているためです。暖色系の光が吸収された結果,寒色系の光がたくさん跳ね返って見えているわけです。
 天王星に関して,ちょっとおもしろいデータがあります。天王星の自転軸は100°ほど傾いています。まるで横倒し状態。すなわち天王星は,ゴロゴロと転がるように太陽の周りを回っている惑星なんです。
 そのため,場所によっては昼が42年間,夜も42年間続きます。不思議な惑星ですね。

 太陽系の大型惑星たちを観望したところで,秋から冬の星座の方に目を向けてみましょう。
 先ほどのおうし座は冬の代表的な星座ですが,天頂付近にはW形をした秋を代表する星座であるカシオペヤ座,西寄りには『秋の四辺形』を中心としたペガスス座がよく見えています。秋の星座には一等星が一つしかないのですが,カシオペヤ座やペガスス座は,それぞれW形や◇(ひし形)と,特徴的な形をしているので意外に見つけやすいものです。
 一方,冬の星座には一等星がたくさん見られます。
 ここでは,そのうちの空高く目立っている2つの一等星を紹介しておきましょう。
 下の図は,南方向に身体を向けて,思いっきり空高くを見上げたときの星空です。

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 カペラはぎょしゃ座の一等星で,太陽の10倍ほどの大きめの恒星。アルデバランは,おうし座の一等星で大きさは太陽の40倍強。かなり大きな恒星です。色は暖色系。赤っぽい星は高齢の星です。地球からの距離は,それぞれ44光年,67光年と(宇宙レベルでは)どちらもご近所さんの星。基本的に明るい星は地球から近いところにある星です。

 続いて,当夜の観望会で楽しめる星雲星団をいくつか拾い出してみましょう。
 まだ夏の星座や天体も見えていますが,今回は秋・冬の天体を中心に紹介しておきます。

☆★球状星団
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。多くは銀河の周辺部に存在します。
ペガスス座球状星団(M15)
 天馬ペガススの頭の先にある大きめの球状星団。高倍率で観察するとブツブツ感がはっきりしてきます。また,大きな望遠鏡ほど個々の星々に分解して見えてきます。どれも120億歳と高齢の星ばかりで,その数は数十万個!スライディングルーフ内の大きめの望遠鏡で観察するのがオススメです。
※距離は33,000光年

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☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体
ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のW形のすぐ近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,二重星団の良いアクセントになっています。
 この星団は,小型の望遠鏡で低倍率を使って観察するのがオススメです。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)
M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもある大きな星雲です。望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。距離が230万光年ということなので,今から230万年前,人類の祖先が石器を振り回していた頃にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。
 大きな天体望遠鏡を使っても,写真のようには見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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☆★二重星
 肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。ただ同じ方向に近寄って見えている見かけ二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

アルマク(アンドロメダ座の二重星)
 アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる連星です。

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 この夜間観望会の主役は,観望好期となっている木星,土星の2つの惑星かもしれませんが,月明かりに影響されない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。これまでに紹介した星雲や星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。
 また,当館の観望会では様々な天体望遠鏡が準備されています。
 大小,大きさの異なる望遠鏡で,また鏡を使った反射望遠鏡とレンズを使った屈折望遠鏡とで,同じ天体でもどう違って見えるのか,ぜひ確かめてみてください。
 冷え込みも相当に気になる時期です。防寒にも十分に配慮して,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。

※HP中の惑星図,は,アストロアーツ社製StellaNavigator12で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工を加えたものもあります。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

<注>
 天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体には個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。

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