香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[お知らせ] スケジュール:2024/03/02
更新日:2024/03/03
2024年は、肉眼で見ることができるだろうと予測されている2つの「彗星」があります。
そのひとつが2024年3月~4月ごろに太陽に近づくポン・ブルックス彗星(ポンス・ブルックス彗星)です。予測どおりの5~6等の明るさだと肉眼では厳しく、確認するには双眼鏡が必要になると思います。しかし、ポン・ブルックス彗星は、太陽接近時に分裂や爆発によって急に明るくなる可能性のある彗星です。期待しましょう。
渡辺真一氏が、2月13日にポン・ブルックス彗星の撮影に成功しました。(この時期は、まだ肉眼では見えませんので天体望遠鏡と天体用のカメラを使用して撮影しています)
撮影日:2024年2月13日
撮影機材:天体望遠鏡-セレストロンC14XLT(口径356㎜焦点距離3910㎜口径比11)カメラ-ZWO ASI533MCPro 架台-スカイウォッチャーEQ8-Rh Pro 露出30秒
撮影者:渡辺真一氏 新潟市在住(天体望遠鏡博物館ボランティア・新潟天文研究会会員)
撮影者コメント:北風ビュンビュン・雲モクモクの合間に撮ったものでピントボケボケです。(焦点距離が長いので恒星像がフラフラ動き回ります)
当面、日没後の西空低くを移動していくため、薄明と月明かりとの戦いになります。2月28日には再びバーストが報じられていますので、今後も楽しみな彗星です。日本海側は冬は冬眠の季節ですが、もう少ししたら、晴れ間も出てくるでしょう(今日は吹雪^^;)。春の良シーイングの元で最接近を迎えたいものです。
ポン・ブルックス彗星とは
ポン・ブルックス彗星は1812年7月21日にジャン=ルイ・ポン(ポンス)が発見した彗星。71年後の1883年にウィリアム・ロバート・ブルックスが再発見し、後年になってポンの彗星と同一であることが確認された。公転周期は約70年。
3月はアンドロメダ座からうお座、おひつじ座へと移動していき、夕方から宵の早い時間帯に西北西の低空に5~6等級で見えると予測されています。双眼鏡での観察が適しています。彗星は写真撮影すると、彗星であることがよくわかりますから写真撮影もお勧めします。4月からは太陽に近づくので、さらに明るくなると予想されています。
3月に入ってからのポン・ブルックス彗星の撮影写真は「お知らせ・天文現象」に掲載しています
もうひとつ注目されている彗星が「紫金山・アトラス彗星」です
2023年1月に中国の紫金山天文台と小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって、発見されたため、「紫金山・アトラス彗星」と命名された彗星です。ポン・ブルックス彗星は、およそ70年周期で太陽に接近する長い楕円形の軌道を描く周期彗星ですが、紫金山・アトラス彗星は双曲線軌道であることが観測の結果わかってきました。つまり、今回、太陽に近づくのが最初で最後で、二度と回帰しません。9月28日に太陽に最接近し、日本では9月下旬には肉眼で見えるようになると予測されています。9月から10月中旬には約0等、最大でマイナス5等近くまで明るくなるという予想もされています。
ただし、初めて太陽に近づく彗星の明るさ予測はたいへん難しく、爆発的に明るくなるかそれほどでもないかは誰にもわかりません。ただ、爆発的に明るくなる可能性があることも否定できません。10月初旬の日没後の西の空に尾をひく姿が見える大彗星になるかもしれません。ドキドキしますね。
渡辺真一氏が「紫金山・アトラス彗星」の撮影にも成功しています。まだまだ太陽から遠いところにいますので、小さくて暗いですが、彗星の特徴である尾があることがわかります。
撮影日:2024年2月16日
撮影機材:天体望遠鏡-セレストロンC14XLT(口径356㎜焦点距離3910㎜口径比11)カメラ-ZWO ASI533MCPro 架台-スカイウォッチャーEQ8-Rh Pro 露出10秒
撮影者:渡辺真一氏 新潟市在住(天体望遠鏡博物館ボランティア・新潟天文研究会会員)