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【開催済】9月14日夜間観望会・国際お月見ナイト

[イベント] スケジュール:2024/09/14
更新日:2024/09/08

2024年9月14日夜の夜間天体観望会のご案内ページです。この日は通常の夜間天体観望会に加えて「国際お月見ナイト」のイベントも開催致します。

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国際お月見ナイトとは

NASAが提唱している世界的な天文イベントです。国際お月見ナイト(インターナショナル・オブザーブ・ザ・ムーン・ナイト)の日です。この日の夜は、地球上のすべての人が、月の科学と探査について学び、天体観測に参加し、月との文化的・個人的なつながりを持つことを推奨されています。その主な目的は、次のとおりです。

①月観測等を通じて、月の科学・探査プログラムに対する認識を高める。
②地球の月を入り口として、人々が月や宇宙科学・探査についてより深く学べるようにする。
③月にちなんだ物語、画像、芸術作品などの共有を促進する。

天体望遠鏡博物館は、2024年国際お月見ナイトに月を観測する施設としてNASAに登録しています。

【日時】
2024年9月14日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時50分:オリエンテーション
19時10分:観望会開始
20時30分:終了予定

*できるだけ18時40分までに受付できるようにご来館下さい*

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】20組(70名程度)

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。

別プログラムの例
・直径7メートルの大型エアドームによるプラネタリウム
・4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」による星空ツアー
・館内ナイトツアー
・スタッフによる実験やお話など

参加お申し込み方法

ネット予約でお申し込み下さい

募集数を超える申し込みになりましたのでネット予約受付を終了致しました2024/09/13 0:50

9月14日の星空案内

☆★今回の天体観望会での観察オススメ天体リスト
月:月面(クレーター,海,谷)
惑星:土星,土星の衛星タイタン
星座:こと座,はくちょう座,ペガスス座,カシオペヤ座
一等星:アンタレス,ベガ,デネブ,アルタイル
星の並び:夏の大三角,秋の四辺形
星雲:こと座の惑星状星雲M57,アンドロメダ座大星雲(M31)
星団:ヘラクレス座の球状星団M13
二重星:はくちょう座アルビレオ,こと座のダブルダブルスター,アンドロメダ座アルマク
 

 秋分の日が間近に迫っています。まだまだ暑い日が続いてますが暦の上では確実に秋。
 夏至から3か月ほど経過していて,日の入りも早くなってきています。いつもなら,観望会が始まる19時には空はそこそこに暗くなってきているはずですが,当夜は大きな月があります。
 この夜の月齢は11。
 ※月齢とは,月の満ち欠けの状態を示す数字で,新月から何日経過しているかを表します。新月を0として,新月からの経過日数を数字で表します。大まかには月齢が7前後であれば半月(上弦の月)頃,15前後であれば満月頃,22前後であれば下弦の月の頃というように,月齢で月のだいたいの大きさを知ることができます。
 月齢7前後が半月で15前後が満月なので,月齢11の月というのは,半月と満月の中間くらいの大きめの月ということになります。

 月は大きく明るいので,天体望遠鏡を簡単に向けることができる天体です。博物館駐車場に並べられた天体望遠鏡の多くは,早々に月に向けられていることだと思います。

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 月齢11の月では,欠け際近くのクレーターをコントラスト高く見ることができます。特に高倍率にて欠け際を観察すると,超迫力で迫る月面を味わうことができるはずです。
 上図の望遠鏡の中に見えている月は,当夜見える月に近い姿のイメージです。月画像の真ん中から上半分に見えている黒く平坦で凸凹感のない部分を海といいます。海といっても,もちろん海水があるわけではありません。海は玄武岩で覆われていて,そのために黒っぽい色に見えています。この海の黒さが,月のウサギの姿を浮かび上がらせていることになります。
 (下画像は当夜の月よりも少し大きな月ですが),ウサギの餅つきのイメージを重ねてみています。逆さまですが,ウサギの餅つきの感じ,おわかりになりますか?

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 その海の部分には名前が付いています。当夜,見えている海の名前を紹介しておきましょう。月が大きいだけに,見えている海も多めです。

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 豊かの海は,直径700kmのやや不規則な形をした海。ウサギの片方の耳にあたります。
 神酒の海は,直径約300kmのほぼ円形をした海。ウサギのもう一方の耳にあたります。
危難の海(危機の海)は,直径約600kmの円形の海。切り立った山脈に囲まれて,内部は冷えた溶岩で覆われています。
 静かの海は,直径約900km。ウサギの顔(頭)の部分にあたります。人類が初めて月面に立つことができたアポロ11号の着陸地点があります。
 晴れの海は,直径約700km。何となく五角形っぽく見えます。
 蒸気の海は,直径約230km。隕石の衝突によってできたクレーターがほとんどない比較的新しい海。
 雨の海は,直径約1100km。『嵐の大洋』に次いで月面2番目に広い海。
 雲の海は,直径約690km。目立つ山や大きなクレーターはありません。餅を入れている臼(うす)の部分になります。
 次に,当夜の月面でぜひ見て欲しい観察ポイントをいくつかご紹介しておきます。

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 平地的な海に対して,クレーターの多いところが高地(山岳地帯)となります。
 クレーターの成因としては,月面に隕石が衝突したことによるものだとされています。大きな隕石が月面にぶつかると,衝突のエネルギーが熱や力となって爆発し,地面に縁が高く盛り上がった丸いくぼ地を作ります。これがクレーターです。
 ここでは,見所となるクレーターをいくつか拾い上げてみましょう。
 コペルニクス(クレーター):雨の海の南に位置するクレーター。直径は約93kmと香川県がちょうどすっぽりと入る大きさ。輪郭をなす山の高さは,およそ3700mと富士山とほぼ同じ。クレーターの中央に高さ1200mほどの山が存在しています。比較的新しいクレーターです。
 ティコ(クレーター):直径は約85km。太陽光が当たると光条(こうじょう)と呼ばれる明るい放射状の筋が,このクレーターを中心に幾本か伸びているのがわかります。中央にある山の高さは1600mほど。周囲の山の高さは4800mと富士山を越えています。
 プラトー(クレーター):月面の北部に位置します。直径は101km。プラトーの底は平坦で暗く,内部に直径2km程度の小さなクレーターが4個ほど確認できます。この小クレーターは,気流が安定したときに性能の良い口径の大きめの望遠鏡でないとなかなか見ることができません。そのため,望遠鏡の分解能テストに利用されることもあります。
 スライディングルーフには大型望遠鏡があります。こちらの大きな望遠鏡に高倍率をかけて,はたして何個の小クレーターを見ることができるか,挑戦してみるのもおもしろいのではと思います。

 クレーター以外にも,蒸気の海に直線壁(ちょくせんへき)と呼ばれる地形があります。直線壁は,長さ110km,高さ300mの月面有数の断層です。高さ300mというとイメージ的には,ものすごい絶壁のように想像しますが,実際には幅が2.5kmほどあり,断崖というよりも坂という感じでしょうか。
 こういった月面の地形を詳しく観察するには,倍率を上げてみることが一番です。
 天体望遠鏡を覗くときに,よく『これは何倍ですか?』と尋ねられることがあります。倍率というのは,天体望遠鏡の対物レンズや鏡の焦点距離を,接眼鏡の焦点距離で割った数値となります。すなわち,接眼鏡を替えることによって,いろいろな倍率を出すことができるわけです。
     ※倍率=対物レンズ(対物鏡)の焦点距離÷接眼鏡の焦点距離
 基本的に,大きな望遠鏡ほど(有効的に)高い倍率を出すことができます。
 月の観察では,月全体を見る場合には低・中倍率を使い,月面地形の詳しい様子を観察する場合は高倍率を使うのが良いでしょう。
 下はコペルニクス(左)とプラトー(右)を,かなりの高倍率で見たときのイメージです。

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 昔から最も身近に感じられ親しまれてきた天体。
 大きさは直径約3,500kmで地球のおよそ1/4。距離は地球から約38万km。
 月の1日は(地球での)約1ヶ月。15日ほどの昼と15日ほどの夜が交互にやってきます。ほとんど大気がなく,15日間は太陽に照らされたり,15日間は冷やされたりと,昼夜で温度差が非常に大きくなります。昼は100℃を超え,夜になると-170℃ほどまで下がるといわれています。かなり過酷な世界のようです。
 そんな月に人は住めるの?その月はどこからやってきたの?月はどうしていつも同じ面を向けているの?
 月のことを考え始めると,次から次への疑問が湧いてきそうですよね。あれこれ思いを巡らせながら,当夜は,じっくりとその姿を眺めて楽しんでみてください。

 それでは,月以外の天体に目を向けてみましょう。
 大きな月がある夜は暗い星が見えにくい状況にあったりします。そんなときは,明るい一等星を探してみましょう。一度,全天を南から北へ,西から東へ視線を動かしてみてください。すると,明るい星がいくつか見えているかと思います。
 南方面に身体を向けて,視線を首が痛くなるくらいぐっと上げて見ると,こんな感じ?

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 ※イメージ化しているおおまかな図なので,実際の星の位置関係とは違っています。
  この夏の大三角は,ほとんど天頂付近の位置にあります。

 高い高度で夏の大三角を形作る,こと座のベガ,わし座のアルタイル,はくちょう座のデネブの3つの一等星が見えているはずです。
 この3星のうち最も南にあるのがアルタイル。そして,アルタイルの左下(南東)方向に,一等星と同じほどの明るさに輝く光点が一つ。これが,観望好期を向かえている太陽系6番目の惑星である土星です。
 土星は天体観望会での人気NO.1天体の一つ。存在感抜群の月にも全く引けを取らないほどのインパクトの強い天体かと思います。月に続いては,この土星を観察してみましょう。

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 ちょっとその前に,土星について少し紹介しておきましょう。
 土星は,地球の9個分という大きな惑星です。距離は約14億km。新幹線で行くと400年ほどかかる距離です。同じ太陽系内の惑星なのに,けっこうな距離があるように感じますね。
 そして,土星はガス惑星。すなわち,地面はなく,ガスでできているので降り立って表面を歩くことはできません。
 また,環(輪っか)のあることで有名で,天体望遠鏡を使うと,その環も明瞭に見ることができ,その神秘的な姿に,見る人の多くは感動をおぼえるはずです。
 環は,顕微鏡で見なければわからないほどの小さいなものや,数mの大きさの氷の粒子が集まったものだといわれています。その中に小石や岩石なども混じっている,それが環の正体です。ところがこの環,横から見る厚みは,1m~1kmほどと考えられていて,土星本体に比べるとその厚みは非常に薄いのです。通常は,この環に太陽光が反射して見えているということになります。
 下の図を見てください。年とともに,土星本体の傾きは変化します。それと同時に環の傾きも変わり,来年2025年には地球からは,環を真横から見る位置関係になります。そうなると,環は非常に厚みが薄いため,真横方向からは観察することはほぼ不可能。その結果,環が見えなくなる(環の消失)という現象が起こります。

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 こんな感じで,7~8年かけて,土星の環は幅広く見えるときから真横に細く見えなくなるときまで,その見え方は変化していきます。2024年の今季は,かなり環が細く見える姿となり,もしかしたら土星らしくないといった印象を持たれる人もいるかもしれませんね。
 来年の『環の消失』に向かって,だんだん細くなりつつある環の傾きに,ぜひ注目してみてください。

 土星本体のそばには,いくつかの衛星を見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で一番明るく見やすいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。
 この夜,タイタンは土星の左下方向,少し離れたところに見えています。(望遠鏡によっては,右下や右上に見える場合もあります。不明な場合は,操作している担当者に尋ねてみてください。)

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 土星の衛星は,昨年の時点で146個が確認されています。このうち,小型望遠鏡で見ることができるのは,2~4個ほど。大きな望遠鏡になるともう少し数は増えてきます。タイタン以外にもいくつかの衛星が見えているということです。
 土星を堪能したら,続いて星空全体に目を向けていきましょう。

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 上の円形の星空図は,9月14日午後8時頃の天空全体の様子を示したものです。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 この円形の星空図と少しにらめっこしてみてください。さそり座,夏の大三角などの夏の星たちの並びは南北のセンターラインから右(西)寄りにあります。一方,東方向には,ペガスス座,アンドロメダ座,カシオペヤ座といった星座たちが見えてきています。これらは秋の星座たちです。
 夏の大三角という三角形に対して,ペガスス座の四角形は秋の四辺形と呼ばれています。
 ちょうど夏の星空から秋の星空にバトンがわたっていく,そう,9月はそんな時期。夜の早いうちは夏の星々がまだまだ主役だけど,じわじわと秋の星座にうつりかわる。夏と秋,両方の星空が楽しめる天体観望会だといえそうです。

 東半分は秋の星空ですが,ちょうど真上付近には夏の大三角が良く見えています。

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 夏の大三角は,こと座のベガ,はくちょう座のデネブ,わし座のアルタイルの3つの一等星を直線で結んでできる三角形をいいます。思っている以上に大きく感じられる三角形かもしれません。一等星が作る三角形なので,月明かりに負けることなく,しっかりと観察することができるはずです。小学4年生の理科で学習すると思いますが,お子様連れで参加されている方はぜひ一緒に探してみてください。
 見つけるヒントになるのは,こと座の一等星ベガ。この3つの一等星の中で一番明るいのがベガです。そして,そのベガはほぼ真上に見えています。(南に身体を向けて)まず,ベガを見つけてから,左上にデネブ,左下の方にアルタイルと見つけていくのがわかりやすいと思います。
 ちなみに,ベガは七夕の織女星,アルタイルが彦星になります。七夕の星もまだまだ見えているんですね。
 ベガを話題にしたところで,今月はこと座の神話を紹介しておきましょう。
『 昔々,オルフェウスという竪琴の名手がいました。彼にはエウリデュケという妻がいたのですが,ある日,毒蛇にかまれて死んでしまいます。最愛の妻を失い深く悲しんだオルフェウスは,妻を生き返らせてもらうために,あの世の国(冥界)の王であるプルート(ハーデス)の元へ出向きます。
 冥界の入口では,ケルベロスという猛犬が見張っています。生きた人間を通さないように訓練されているのです。困ってしまったオルフェウスは,どうしても通りたいという思いを込めて琴を弾きます。するとどうでしょう,さきほどまで牙をむきながら吠えていたケルベロスが,まるで借りてきた猫のようにおとなしくなってしまったのです。
 そう,オルフェルスが弾く琴の音を聞くと,森の中の猛獣たちは目を閉じておとなしくなり,川はせせらぎの音を出すのを止めて静かに聞き惚れ,堅い岩もゴムのように柔らかくなると言われるほど。
 その美しい琴の音色に,さすがの猛犬ケルベロスも普通の犬になってしまったのです。
 やがて,冥界の王であるプルートの前に立ちます。そして,琴を弾きながら『妻を返してほしい』とエウリデュケに対する思いを切々と話しました。けれども,プルートは死者を生き返らせることには承諾しません。しかし,プルートの妃となっていたペルセポネーが涙を流しながら説得したため,プルートは仕方なく,エウリデュケを連れ帰ることを許可します。
 ただ,そのときプルートは,『地上に出るまでは,決して後ろを振り向いてはいけない』と,オルフェウスに伝えます。オルフェウスは喜びいっぱいに,再び険しい道のりを地上に向かって歩き出します。やがて,洞窟の口から光が見え,地上の香りが漂い始めたとき,オルフェウスはうれしさと妻への懐かしさに我慢できずに,後ろにいる妻の方を振り返ってしまったのです。その瞬間,エウリデュケは吸い込まれるように,元来た洞窟の奥の方へと吸い込まれてしまいました。オルフェルスは引き返して,『もう一度だけ・・』と訴えましたが,その願いが通じることはありませんでした。
 その後,悲しみのあまりオルフェウスは野山をあてどもなくさまよいます。そして酒に酔った人たちからの余興に琴を弾けとの命令を無視したため,石をぶつけられて絶命。愛用の琴も川に投げ捨てられました。
 それを大神ゼウスが見つけ,哀れに思って夜空に上げたのがこと座だということです。

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 このこと座を含む夏の大三角付近から東方向の秋の星空にかけて,見ておもしろい天体が数多くあります。その中から,代表的なもののいくつかをピックアップして紹介しておきましょう。

☆★球状星団
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体で,多くは銀河の周辺部に存在します。

M13
 ヘラクレス座にある球状星団。恒星の数は50万個以上。北天で最大サイズの球状星団で,全天一の美しい球状星団ともいわれています。
 こういった,細かく見たい天体は大きな望遠鏡での観察がオススメです。不気味なほどのブツブツ感で迫ってくるかもしれませんよ。高倍率での観察がオススメです。
※距離は25,000光年

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☆★二重星
 一つの星にしか見えないものが,倍率を上げて観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。たまたま同じ方向に近寄って見えている見かけ上,二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

こと座ε(イプシロン)星(通称 ”ダブルダブルスター”)
 こと座のベガのすぐ近くにある恒星。望遠鏡の低倍率でのパッと見では一組の二重星に見えます。ところが,倍率を上げて,よくよく観察してみると,その二つともが,それぞれに二重星になっているのがわかってきます。二重星が二重。どちらもかなり接近しているので,目をこらしてじっくりと観察してみてください。
 一方の二重星は,お互いが1,700年ほどで,もう一方の二重星の方は700年ほどの周期で回り合っている連星です。

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☆★惑星状星雲
 超新星爆発をせずに一生を終えた恒星が,ガスを放出して,中心に残された星からの紫外線に照らされて輝いている天体。

M57
 こと座にある惑星状星雲。リング状に見えるため,『ドーナツ星雲』とよばれています。
 この星雲は,寿命を迎えた恒星が放出したガスが,残った中心星からの紫外線を受けて光っているものです。通常の望遠鏡では見えませんが,このドーナツの中心部に,その終末期にある恒星が存在しています。
※距離は2,600光年

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☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体

ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のw形の近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。
 これは秋を代表する天体でもあります。低倍率で観察するのがオススメです。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)

M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。太陽系がある天の川銀河(銀河系)のお隣にある銀河(島宇宙)です。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きには見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。
 こちらも秋に見やすい天体の代表格。
※距離は230万光年

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☆★二重星
アルマク
 アンドロメダ座にある二重星。青色と黄色系の組み合わせがとても美しい連星です。
 この二つの恒星は,お互いが60年ほどの周期で回り合っています。2星間の距離は,太陽と海王星の間の距離ほど。

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 観望会当夜の主役は,月と観望好期となっている土星かもしれません。でも,上に紹介した天体以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。

 例えば
  ☆M27・・・こぎつね座にある惑星状星雲
         銀行の地図記号に見えるといううわさ。
  ★アルビレオ・・・はくちょう(座)の口ばしにあたる星
         オレンジと青の組み合わせがとても美しい二重星
  ◇いるか座・・・かわいい星座かも。
  ◇や座・・・いるか座に負けないくらい小さな星座

 当夜は,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,そして紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 また,大きな望遠鏡と小さな望遠鏡とでは見え方が大きく違ったりします。レンズを使った屈折望遠鏡と鏡を使った反射望遠鏡とでも,見え方に違いがある場合があります。倍率の違いによる見え方の違いもあります。同じ天体でも,いろいろな望遠鏡,いろいろな倍率で観察して,見え方の違いを味わってみるのもおもしろいと思います。
 ぜひ,様々な天体の観望をお楽しみください。
 それでは,観望会でお会いできるのを楽しみにしています。


※HP中の星図,星座絵図は,AstroArts社製StellaNavigator12で作成しています。
天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。 円形星図,イラスト,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

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