香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[天文現象] スケジュール:2024/10/05
更新日:2024/10/05
図は国立天文台ホームページから引用
2023年1月に中国の紫金山天文台と小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって、発見されたため、「紫金山・アトラス彗星」(C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS)と命名された彗星です。紫金山・アトラス彗星は、9月28日に太陽に最接近し、その後、離れていき二度と戻ってきません。この彗星を見られるのは今回のみです。
日本では9月下旬から明け方の東の空の低空に見えるようになり各地で写真撮影されています。
撮影日時:2024年9月27日05時16分/撮影地:鹿児島市吉野エリアにある原五社神社前
撮影機材:キャノンEOS5D MarkⅡ・コンタックステッサ―300㎜・AZGTi(赤道儀化)
感度1600・2秒露光・F4/撮影者:天体望遠鏡博物館ボランティア I氏(鹿児島県在住)
撮影日時:2024年10月1日05時00分/撮影地:香川県高松市岡本町
撮影機材:カメラ-フジフィルムX-T20 レンズ-SMC PENTAX K135/3.5
撮影データ:感度6400 2秒×10枚 固定撮影/撮影者:天体望遠鏡博物館会員 G氏(香川県在住)
10月上旬から10月10日ころまで紫金山・アトラス彗星は地球から見た場合、太陽方向にあり観測できない期間になります。
地球に最接近する10月13日(日本時)からは、彗星の見かけの位置が太陽から離れて夕方の西の低い空で観察できるようになります。彗星の明るさは4等前後と予測されていますので、空の暗い場所では肉眼でも存在を確認できると思われます。また大口径の双眼鏡や天体望遠鏡を使えば、彗星の本体(コマ)だけでなく尾も見えそうです。
ただし、10月12日から14日までは表1のとおり、彗星は西の空の超低空 1度~10度にあり観測に適した場所(西の低空まで見渡せ、光害の少ない場所)でなければ肉眼で見ることは困難だと思われます。
日付 | 時刻 | 方位と地平高度 | 明るさ |
---|---|---|---|
10月12日 | 18時09分 | 西1度 | 1.5~2.5等 |
10月13日 | 18時08分 | 西5度 | 1.5~3等 |
10月14日 | 18時06分 | 西10度 | 1.5~3等 |
10月15日 | 18時05分 | 西14度 | 1.5~3等 |
表は国立天文台ホームページから引用
10月16日頃からは彗星が観測できる時間帯での高度が17度になり、日々、高くなっていきます。そのかわり彗星が太陽から遠ざかっていきますので、明るさが3等から4等程度になると予想されています。
3等から4等の明るさと、観測時の彗星の高度が20度程度あれば、大口径の双眼鏡や口径10㎝以上の天体望遠鏡を使う迫力ある姿を見ることができると思われます。
日付 | 時刻 | 方位と地平高度 | 明るさ |
---|---|---|---|
10月16日 | 18時04分 | 西南西17度 | 2~3.5等 |
10月17日 | 18時03分 | 西南西21度 | 2~3.5等 |
10月18日 | 18時01分 | 西南西24度 | 2~3.5等 |
10月19日 | 18時00分 | 西南西26度 | 2.5~4等 |
10月20日 | 17時59分 | 西南西28度 | 2.5~4等 |
表は国立天文台ホームページから引用
彗星と言えば長大な「尾」をイメージする方が多いでしょう。この「尾」は多くの場合、たいへん淡いものでイメージとしては「星雲」の見え方に似ています。市街地でも「星」は見えますがなかなか星雲までは見えません。ところが光害の少ない場所に行くと「星」がたくさん見え、明るめの「星雲」なら肉眼でその存在がわかります。双眼鏡、望遠鏡の場合も同じで市街地よりも光害の少ない場所の方が、はっきりと見えるようになります。
そのため市街地では彗星の本体(核とかコマと呼ばれています)はなんとか見えても、尾を視認できることは稀です。紫金山アトラス彗星は彗星本体の明るさは10月中旬以降は4等前後と予測されていますので、市街地では肉眼での視認はなかなか難しいと思われます。
しかし、光害の少ない場所だと彗星の本体だけでなく彗星の「尾」も見ることができると思われます。口径4㎝以上で低倍率(7倍から12倍以下)の双眼鏡や、天体望遠鏡を低倍率にして使用すればよりはっきりと見ることができます。
西の空が低空まで見渡せ、空の暗い場所が観測地に適しています。
図は天体望遠鏡博物館で10月19日18時30分ころに紫金山アトラス彗星を見た場合の予想図です
検討中です 2024/10/05現在