金星3/25東方最大離隔、4/29日最大光度
3/28日-4/1日、正午 12:00ごろの香川県の空(月は形がわかるように拡大表示しています。)
夕刻の空、目にもまぶしい宵の明星、金星を一番星に探すのが楽しい今日この頃ですが、この金星はますます明るく、天気が良く、澄み渡る日には、青空の中に肉眼でその姿を観察することができます。お昼休みのひと時、天気の良い日は、青空の中の金星探しに挑戦してみましょう。
この時期、金星はお昼休みの正午ごろには東の空高く輝いています。しかし、さすがの金星も青空の中ではその存在感は今一つで、広い空の中、偶然その姿を見つけることは難しいかもしれません。
青空に金星を探すためには、金星が今どこに輝いているかを知ることが必要です。最近はスマホのアプリにプラネタリウムソフトがあるのでそれを利用する方法もありますが、今の時期なら、お昼休みには、ほぼ真東の空に青空に埋もれるように輝いていますので、方角と高さを頼りに探すことが手軽かもしれません。方角は方位磁石の示す東の方向より、7-10度ほど右寄り(南)の方が実際の方向(注1)になります。また、高さは50度弱で、三角定規の45度とほぼ同じ角度ですが、実際の空では、思ったより高い場所だと驚くことがあります。(注2)
青空に月と金星(実際の写真 左下:月 金星:右上マーカあり 写真ではよく見えないが肉眼では意外とよく見えます)2/29日 am10:00ごろ撮影
もちろん、上述の方法でも金星を探すことは可能ですが、3/28日-4/1日は観察チャンスになります。この期間は、金星の方角に加えて、青空の中の月を頼りに金星を探すことができます。この方法は金星の発見を容易にします。青空に金星を探す難しさは、広大な空の中に場所を特定することもさることながら、金星に目のピントを合わせることの難しさがあります。青空の中に対象物がないと、目のピントが金星に合わずに、いつまでたっても見つからないはずです。青空の月に目のピントを合わせると、そのまま金星を探すことができるので簡単に見つかるはずです。もちろん、月の位置は金星の場所を探す頼りとしても大いに役立ちます。
青空の金星は、見てみたいと意識しないと見えない星です。澄み渡る大空の中にポツンと金星の輝く姿を見つけた時の感動はなんとも言えないものがあります。お昼休みのひと時、会社の同僚の皆さんやご家族・お知り合いと、青空に金星を探してみてはいかがでしょうか。
望遠鏡で見た半月状の金星。金星はこれからますますかけて、三日月状になっていく。
3/17日望遠鏡にて撮影
先日、望遠鏡博物館のお知らせにて、金星が一番見やすい時期になったとご案内しています。合わせてご覧ください。
夕刻の空、一番星を見つけよう。(金星3/25東方最大離隔)
http://www.telescope-museum.com/post-9126/
(注1)
方位磁石の示す方位と実際の方位が少し異なることを地磁気の偏角といい、日本では西側に偏角しているので西偏と呼んでいます。西偏は国内でも地域ごとに異なり、四国や九州の一部・関西・関東地方では7-8度。東北地方では8-9度。北海道では9-10度ほど西方偏移があるので、方位磁石の示す角度にこの角度を加える必要があります。
スマホ内蔵の方位磁石の場合、「真北表示」をセットできるものがあり、これをセットすると現在地の方位が偏角を校正した値で表示されるようです。
(注2)
ボクシングさながら、こぶしを握って、地面に水平、やさしくパンチ、腕いっぱいに伸ばしてみてください。小指を下に向ければ、げんこつすれすれ、空の角度は約10度になります。このまま、げんこつを重ねて5段にすれば、空の角度は約50度になります。
こぶしや指を使った星探しは、星好きの伝統的な技なんです。腕いっぱいに伸ばしてこぶしを握ると、子どもも大人もその角度は約10度。拳の中に指は5本あるので、人差し指は約2度になります。結構これが正確なのに驚かされます。
文中の図表は
プラネタリム表示用フリーソフトStellarium 0.19.1を使用しました。
文章と図表作成、写真撮影は fuji_san ( fuji )