香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
徳島県立総合教育センター屋上ドームに設置されていたニコン20㎝屈折望遠鏡赤道儀(1970年7月製造)の赤道儀部分が当館に譲渡されることになりました。 すでに赤道儀は屋上ドームから撤去され、徳島市内の集合住宅の一室に保管されていました。
普通の集合住宅のドアなのですが。
ドアを開けると、赤道儀が現れます。
室内に入ると、6畳キッチンにニコン据付型20㎝用赤道儀がきっちり納まっています。
唖然としてしまいました。
洗面台前には太陽投影版があります。
それにしても玄関から入るサイズではありません。「どうやって搬入したのか」担当の方に尋ねてみるとベランダの手すりをいったん溶接で取り外して、望遠鏡を運び込み、また取り付けたそうです。なにはともあれ、大切な望遠鏡を守っていただけていたことに感謝です。
2013年12月15日、準備が整い、移動作業を行うことになりました。
トラック作業スペース確保のため団地内駐車場の自動車の移動など住民の方への協力依頼、事前通知などを徳島県のK氏が行っていただけていたので、スムーズに作業を開始できました。
今回の搬出作業関係者も搬入作業した方に感心していました。
ベランダ側の手すりを取り外すことから始めます。
ディスクグラインダーでカットしていきます。
今回の作業はハウスサービスの長町さんと木村さんにサポートしてもらいました。
いったん、とりはずします。
これで搬出経路が確保できました。
脚部分は人力ではどうしようもない重さです。室内にまでクレーンのフックを引っ張り込み、クレーンの力で引きずりだします。
室内とベランダの段差もクレーンと台車を使って滑らして出します。
建物をキズつけないように慎重にクレーン操作を行います。
脚部分をトラックに積載します。クレーンの秤には600㎏の表示がでていました。
続いて赤道儀架台部分です。 写真では3人で台車に載せようとしていますが、うまくいかず写真係も参加して4人がかりで台車に載せました。
ベランダまで出し、クレーンで吊り上げます。
無事、トラツクに載せることができました。
部屋の中は普通の住宅に戻りました。
ベランダに手すりをもとに戻す作業です。
溶接で取り付けていきます。
元の状態に戻りました。予定通り2時間の作業で搬出を終えました。
徳島市からさぬき市に移動し、(旧)多和小学校への搬入作業です。
クレーンとハンドリフターを使用できるので、スムーズに作業は進みました。
脚部分から搬入です。
つづけて赤道儀架台です。
これで搬入作業も終えました。
この望遠鏡の鏡筒は、現在、徳島県内のとある施設に保管されています。元の姿に戻して、多くの方に星空の探訪をしてもらえるようにしたいものです。
2015年3月21日 架台の組み立てを行いました。
ベースポールを所定の位置にセットし、赤道儀のつり下げ準備を行っています。
赤道儀をつり上げていきます。
ベースポールとの接合面の高さまでつり上げます。
クレーンを移動させて赤道儀をベースポールの上まで持って行きます
位置あわせ用のガイドピンがあり、傾斜した接合面でもすべることなくセットすることができました。この望遠鏡の設計者は組み立て現場経験のある方なのかもしれません。設計者の配慮を感じました。
ぴったりと収まりました。
拭き仕上げをしているところです。
このあとアンカーボルトを設置し、バランスウェイトを取り付けます。
鏡筒はありませんので組み立てはここまでです。