香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
1940年に発見した岡林・本田彗星を皮切りに生涯に彗星12個、新星11個を発見した故:本田実先生がご使用になった望遠鏡です。本田先生が岡山県吉備中央町に個人で開設した観測所「星尋山荘(せいじんさんそう)」の現在の管理人大野様から寄贈がありました。
本田先生の遺品の多くは倉敷天文台内にある原澄治・本田實記念館や、倉敷科学センターに保管されていますが、この望遠鏡は本田家から大野様が個人的に譲り受けていたものです。2014年8月24日本田先生ゆかりの倉敷天文台に当館会員が伺い、本田家ご立ち会いのもと寄贈賜りました。
本機は本田先生が彗星探索のために使用していたものではなく、本田先生が一般向け観望会で使用するために購入していたものだと思われる。
口径:オリジナルは65㎜アクロマートレンズだが損傷していたためミザール製68㎜に換装されている。
焦点距離:1000㎜
接眼部は31.5㎜のいわゆるアメリカンサイズのアイピースが使用できるようになっているが、鏡筒本体はオリジナルの状態である。
鏡筒の素材はアルミではなく航空機素材であるジュラルミンパイプに酸化被膜処理を施した白色メラニン塗装である。内面は絞り環+黒色艶消し塗装。
赤道儀架台部はカメラ三脚で見かける自由雲台に似た構造で極軸調整が架台部でできるようになった。これ以前のモデルでは極軸調整は三脚の開き具合で高度調整を行い、水平方向は全体を動かして合わすしかなかった。
当館にはもう一台、本機と同型機の鏡筒と赤道儀がある。鏡筒はオリジナルのままで実視可能だが、赤道儀はウェイトが不足、また三脚がない状態である。